大学4年卒業後、プログラマ(4年半)→海外留学(1年)→法人営業(2年半)を経て、30歳の私はチェンシージャパンのメンバーとなった。
入社後、最初に入ったプロジェクトが、製造業のシステムリプレイス案件。その経験について書いていく。
まず、プロジェクトの概要について少し触れたい。
老朽化しサポート期限が迫ったERPシステムを入れ替えることで、原価を見えるようにし収益を上げるための判断をすること、手作業を簡略化すること。
ユーザー側が15名程度、当社側が7名程度。
ユーザー側のメンバー構成は、プロジェクトオーナー、プロジェクトマネージャー、各業務領域(製造、品質保証、営業、会計、情報システム)の熟練者が2~3名ずつ。
当社側のメンバー構成は、プロジェクトマネージャー、コンサルタント5名、インフラ担当1名であった。
プロジェクト期間1年もの間何をしているのか、疑問に思う人もいるだろう。
おもな業務内容を簡潔にまとめる。
新システムで、いつどのような手順でどのような操作をするか書く。
ERPは部分的な業務を助けてくれるシステムではなく、ものづくりの準備、実際のモノづくり、損益計算書や貸借対照表が作成できるまでを実現する、壮大なシステムである。
壮大なシステムをどう使うかは、ユーザーの業務要件によって細かい実装が可能。
そのため、とにかく決めることが多い。
決め事は、ユーザー側と当社が一緒になって決めていく必要がある。
ユーザーにとっては、通常業務があるなかで一日何時間もの打合せ時間を割く必要があるので、かなり負担だっただろうと思う。
前職までは、職場で使うシステムは部分的な業務を助けてくれるシステムであった。
そのため、情報システム部や総務が、システムベンダーと話を詰めて、新システムの利用開始となっていた。
しかし、ERPは前述の通り、システム利用部門が一部門ではない。
ユーザー側のプロジェクトメンバーは、製造・品質保証・営業・会計などの、各業務領域のキーマンで構成されている。
キーマンは業務の中身も、業務上の困りごとも熟知している。
各業務は相互に関連しあうので、各業務の困りごとや決め事は他の業務担当者と話し合い、決める必要がある。
そのため、とても活発な意見交換が行われていた。
当社は、リモートワークを基本としている。
当プロジェクトにおいては、ユーザー企業は東京・埼玉・九州に拠点があり、各拠点にユーザー側のプロジェクトメンバーがいた。
当社側のプロジェクトメンバーも、関東圏内ではないメンバーがいた。
ユーザー企業のオフィスや工場訪問など、状況に応じて訪問はするものの、チャットツールとファイル共有の仕組みを使い、半分以上の時間はオンラインでユーザー企業・当社メンバー間も、コミュニケーションをしていた。
オフラインとオンラインを使いわけることで、お金と時間の節約になり、スピーディーにプロジェクトが進んでいたと思う。
前職ではオフラインで営業職として勤務していた自分にとって、プロジェクト参画当初は特に画期的に感じた。
ユーザー企業にとって、どのような変化が生まれたかは導入事例をご覧いただきたく、割愛する。
プロジェクトを振り返り、このプロジェクトが良い形で終ることができた理由として、以下2つを特に強く感じた。
・強固なチームワーク
・システム視点で考える(システム開発の影響度合い、他データへの影響、データの見える化)
ユーザー側のプロジェクトメンバーは、各業務領域の職務への責任感が強く、チャット・打合せ関わらずコミュニケーションが早く活発であった。
そのため、一人が声を上げた課題や問題を、皆で向き合い解決しようとする空気があった。
特に、ユーザー企業の女性が全体を俯瞰した発言・意見のとりまとめなど、素早く仕事を進めていらっしゃった。
憧れたし、皆も助けられていたと思う。
また、当社側のプロジェクトメンバーとのコミュニケーションのなかで、「○○の機能を使うとき、××なので△△のようにこうしたいが、他のデータへの影響度はあるか」といった、システムチックな質問も飛び交うようになった。
システム側の立場としては、出てきた希望を素直に引き受けるというよりは、業務影響・システム影響を考慮した、設計・運用を実現する必要があるため、ユーザー側がシステム視点で話をしてくださるのはとてもありがたく、前進しやすいと思っていた。
長くなったが、システムコンサル1年目の私が、このプロジェクトにアサインされ、1年強のプロジェクトでデータ移行担当であったために、薄く広くではあるがERPシステム入れ替えに携わることができたのは、貴重な経験となった。
ユーザー企業にも、当社プロジェクトメンバーにも、とても感謝している。
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