MRPは「Material Requirements Planning System」の略語で、日本語に翻訳すると「資材所要計画」です。
MRPは、必要な材料を適切なタイミング・量で発注するための手法であり、主に在庫管理や生産計画で使われます。
また、ERPで言うMRPとは、資材所要計画の自動計算機能を指すことが多いです。
本記事では、生産計画を立てる上で重要な存在であるMRPについて解説します。
チェンシージャパン株式会社 サポート&サービスグループ主任。IFS経験は8年。チェンシータイ支社で5年働き、日本支社では4年目。
得意な分野は開発とSCM・生産計画領域の業務です。
MRPの特徴は、マスタ設定および需要・供給情報をインプットし、製造ないし発注指示を自動で作成するところ。
弊社が取り扱っているIFSのMRP機能では、まず以下のマスタ設定をする必要があります。
●BOM(製品構成)
●品目情報
●発注・製造リードタイム
●安全在庫数
●製造・発注ロット単位 etc…
上記の需要にあたる情報は受注データ、供給にあたる情報は発注・製造・在庫情報がインプットとなります。
これらのインプットを利用し、MRPは最適な生産計画を立て、発注・製造指示を自動的に生成します。
また、IFSには「安全リードタイム」という機能が実装されています。
安全リードタイムとは、発注・製造リードタイムに対し、変動する誤差をバッファ値として持たせる機能のことです。
安全リードタイム機能により、発注・製造で発生する可能性がある、不確実性の高いリードタイムのケースにも対応できます。
さらに、IFSでは、MRPの実行結果を即時確認できる画面があります。
上記画面は、単純に結果を確認できるだけではなく、MRPを実行した結果「将来的に在庫が不足する」などのアラート機能もあります。
つまり、ユーザーに在庫切れのリスクを通知し次のアクションを促すことで、在庫切れリスクの減少に貢献可能となるのです。
MRPを利用するメリットは、以下の3つです。
1.適正在庫を維持し、在庫リスクを軽減
2.資材管理業務の削減
3.生産計画立案の時間を短縮
生産計画や在庫管理に関するお悩みでよく耳にするのは、「在庫を適切な量に保つことができない」ことです。
在庫を適切に持たなければ、過剰在庫による在庫管理コストの増加・在庫不足による生産ライン停止など、様々なリスクに発展する可能性があります。
過剰在庫を持つケースでは、在庫管理コストが増加するだけではなく、品質低下のリスクもあります。
(多くの商品には有効期限が存在します。有効期限が切れる・有効期限まで僅かな期間しかない製品の場合は、市場における商品価値がほぼなくなります。)
そのため、製品を作るコストだけがかかり、利益がゼロになるリスクが増加します。
一方で、在庫不足となるケースですが、製品を作るための資材が不足することで、工場の生産ライン停止・生産スケジュールが遅延するリスクがあります。
いずれにしても、在庫量が適正値から外れることは、売上・原価管理にも影響を及ぼし、経営的にも重要度が高い課題となります。
しかし、在庫を適切な量に保つことは、単純に生産計画を立てるだけでは難しく、在庫分析も併せてすることではじめて可能となりますが、在庫分析まで手が回らないといったケースも。
そこで活用したいのが、MRP。
MRPを利用するメリットは、自動化による「資材管理業務」「生産計画立案」にかかる時間短縮です。
資材管理業務・生産計画立案の時間を短縮することで、在庫分析をする時間が生まれます。
また、IFSでは在庫分析ツールもあるため、IFSを導入することで在庫量を適切に保つためのPDCAサイクルが形成しやすくなります。
さらに、「資材管理業務」「生産計画立案」を自動化することで、ヒューマンエラーに起因する二重発注や計算ミスの発生率が減少します。
結果、ヒューマンエラー削減に起因する手戻り率を減少し、業務効率化の実現にも繋がります。
生産計画を立てる上で重要なMRPについて、特徴・メリットを解説しました。
弊社が提供しているIFSは、安全リードタイム機能・MRP実行結果の即時確認画面・在庫分析ツールなどがあります。
IFSを導入いただくことで、在庫管理の適正なPDCAサイクル形成も可能でしょう。
ぜひ、導入企業様の声を以下よりご覧ください。
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