DX推進を妨げる人材不足問題と解消方法とは?確保と育成の重要性

  • 2022年3月6日
  • 2022年10月12日
  • DX・IT

消費者ニーズの変化や新型コロナウイルス感染症の影響により、国内におけるDXへの関心が高まっている現在。

企業はDXに取り組もうと検討しているものの、人材不足によってなかなか実施できていないのが現状です。

今は何とか社内リソースでやりくりしているが、将来的に苦しくなると懸念している方も少なくないでしょう。

では、なぜ日本ではDXを推進できる人材が不足しているのでしょうか?

この記事では、DX推進の足かせとなっている人材不足の原因と解消方法を解説します。

DXの必要性と人手不足問題

総務省が2021年7月に公表した情報通信白書(令和3年版)では、日本におけるDX推進に必要なデジタル人材不足の深刻化を指摘しています。

米国やドイツも同様に人材不足に陥っているものの、日本の場合はDXを推進するうえで人材不足が課題であると答える企業が約53%。

米国に比べて2倍以上、日本は人材不足に苦しんでいます。

参考:総務省|令和3年版 情報通信白書|令和3年版 情報通信白書のポイント

そもそも、なぜDX化を進める必要があるのでしょうか?

それは、デジタル化によって激化する競争社会で企業が生き残るためです。

国内だけでなく、海外との経済格差も広がりつつある現在、国内の企業がこのままDXに取り組まなければ約12兆円もの経済損失を生む可能性があると経済産業省も警告しています。

DX化遅れにより日本は2025年に12兆円を失う

デジタル技術の発達により、現在では誰でも簡単にインターネットやSNSから情報を取り入れられるようになりました。

情報の多様化によって、人々のニーズは複雑化し、より質の高いインターネットサービスの提供が必要といえます。

そこで、各企業は既存システムを見直し、ビジネスモデルを変革するDX化に注目。

とはいえ、なかなかDXに取り組めていない企業が大半であるのが日本の現状です。

経済産業省は公表した「DXレポート :ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開」では、2025年までに国内の企業がDX化に取り組まなければ最大で年間12兆円もの経済損失が発生する可能性があると予測しています。

このまま企業が既存システムやビジネスモデルを変革できず2025年を迎えると、日本はさらに海外との経済格差を広げてしまうでしょう。

DXに必要なビジネスモデルやデジタル技術について詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

IFS LABO by CHENGSI Japan

従来のビジネスモデルは大量生産が主流でした。しかし、DX時代のビジネスモデルは顧客体験を重要視。この記事では、DXに関係…

2030年には79万人ものIT人材が不足する

DXレポートでは、既存システムやビジネスモデルを変革する必要性とともに、DXに必要なIT人材不足も問題視しています。

みずほ情報総研株式会社が公表した「IT人材需給に関する調査」では、2030年には最大で約79万人ものIT人材が不足すると記載。

各企業は、激化するグローバル競争に対応すべく、DX化に取り組もうと試みており、DXに必要な人材の奪い合いが予想されています。

DXに必要な人材が不足している理由とは?

少子高齢化によって、国内の労働人口は年々減少の一途をたどっています。

DXを推進できる人材の供給は増えているものの、需要が上回っているため人手不足が発生。

レガシーシステム(老朽化システム)のプログラムがわかるIT人材も定年退職などで年々減っているため、システムのブラックボックス化もはじまっています。

これまで、多くの企業がシステム開発をベンダー企業に丸投げしていたため、社内のIT人材を育成できていない状況といえるでしょう。

エンジニアの多くはベンダー企業に在籍しているため、DXを推進したくても対応できる人材が社内にいないケースも少なくありません。

ベンダー企業へ依存している企業にとっては、IT人材不足の課題が解消しにくいといえます。

DX推進に欠かせない人材

DX推進に欠かせない人材をDX人材と呼びます。

DX人材に明確な定義はありませんが、経済産業省のDX推進ガイドラインをもとに考えると、デジタル技術やデータを活用し、DX化への取り組みをリード・実行できる人材といえるでしょう。

DX人材はIT人材やデジタル人材のような、単にデジタル技術を活用するだけの人材ではありません。

デジタルに精通しつつ、率先してビジネスモデルやシステムを変革へと導ける人材がDX人材です。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表しているDX推進に向けた企業とIT人材の実態調査では、下記の職種がDX人材と定めています。

  • ビジネスプロデューサー
  • ビジネスデザイナー
  • アーキテクト
  • データサイエンティスト
  • UXデザイナー
  • エンジニア

それでは、DX人材といえる6つの職種を紹介します。

ビジネスプロデューサー

ビジネスプロデューサーは、チーム全体のリーダー的存在で、企業の戦略や戦術を理解し、DX推進を統括する役割を担っています。

SDO(最高デジタル責任者)もビジネスプロデューサーに含まれており、事業全体を把握しつつ、必要なタイミングで投資や資金配分の意思決定をおこなう立場です。

経営層として、ビジネスモデルやビジネスプロセスを変革を指揮する場合もあります。

ビジネスプロデューサーにはチームをけん引できるリーダーシップや社会の変化を察知し、明確なビジョンを立てられる能力が必要です。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、DXの企画や立案、推進をおこなう人材で、アイデアを具現化し、顧客に提供するサービスや商品の仕組みを構築する役割を担っています。

市場や顧客のニーズ・課題を把握し、新しいビジネスモデルを考え、実現できるように関係者と調整をおこなう人材です。

市場や顧客の求めるものを見つける分析力や、新しいビジネス・サービスを考える発想力がビジネスデザイナーには必要といえます。

さらに、DX実現に向けて関係者と調整をおこなう役割も担うため、現場にいる従業員とのコミュニケーション能力や会議をスムーズに進める力が求められるでしょう。

アーキテクト

アーキテクトは、DXに関する社内システムを設計する役割を担う人材です。

ビジネスデザイナーが立案した企画をもとに、デジタル技術に導入によってDX実現を可能とするシステムを設計します。

アーキテクトが実際にシステムを構築・実装するわけではありませんが、自社の課題を分析し、設計や開発をサポート。

アーキテクチャ設計能力やプログラミングスキルに加えて、コミュニケーション能力も求められます。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、データを収集し解析する人材です。

集めたビッグデータをもとに、ビジネスに役立てる情報を引き出す役割を担っています。

デジタルに関する知識だけでなく、統計学的な知識やスキルもデータサイエンティストには求められるため、データベースエンジニアのスキルがあると役立つでしょう。

UXデザイナー

UXデザイナーは、DXやデジタルビジネスに関するシステムのデザイン作成をおこなう人材です。

消費者ニーズがモノからコトへと変化している現在、利用率の向上や顧客満足度を高めるには、UX(ユーザ体験)の向上が必須といえます。

どんなに良い体験をデザインできても、実現するにはエンジニアなどの開発メンバーに自分の考えを共感してもらわなければ、円滑に業務を遂行できません。

したがって、UXデザイナーには、Webデザイン技術やワールドワイドウェブ法務、インターネット概論といったスキルに加えて、関係者から共感・理解してもらえる言語化能力も必要です。

エンジニア

エンジニアは、デジタルシステムの実装や構築をおこなう人材で、DXにおける現場に一番近い存在です。

アークテクトの設計をもとにプログラミングし、コーティングやテストを実施。

DXの現場で使用するシステムに精通し、必要に応じて開発・改良できる技術がエンジニアには必要です。

なお、プログラミングやエンジニアリングといった能力が必要なため、社内のリソースでは人材を確保するのが難しい場合が多く、外部のリソースに頼るケースが多い職種といえます。

DXにおける人材不足の解消方法

DX推進に向けて人材不足を補うには、社外からDX人材を確保したり、社内でDX人材を育成したりする必要があります。

DXの需要が高まっている昨今において、DX人材はより良い労働環境を求めて流動的になっているといえるでしょう。

自社を選んでもらうために各企業が競争するなか、確保するにはDX人材に特化した転職サービスの活用が有効的です。

ヘッドハンティングなど直接スカウトできない場合には、DX人材の確保に便利なサービスを利用してみましょう。

また、即効性はないものの、継続的に確保できる方法としてDX人材の社内育成も欠かせません。

DX人材を育成するには、研修やセミナーなどDXに必要なスキルを身に付けられる取り組みを会社全体でおこなう必要があります。

DX化に取り組む企業にとって、DX人材の確保と育成は避けては通れない道といえるでしょう。

DXの人材不足を解消するには効率化が大切

この記事では、DX推進における人材不足問題と解消方法を解説しました。

DX化を推し進めには、DX人材を適切な位置へ配置する必要があります。

ただし、一人のDX人材に対してすべての業務を丸投げするのではなく、一人ひとりの役割を明確化し、各職種に人材を配置することが大切です。

また、デジタルシステムやツールを活用し、業務を効率化すれば、コア業務へより多くのリソースを割けます。

たとえば、ERPを活用すれば、社内データを統合的に管理し、経営の効率化を図れるでしょう。

ERPソフトウェアのひとつであるIFS applicationsは、製造業向けの機能を多数搭載。

業務プロセスとも相性がよく、カスタマイズも最小限で済むため、余計なコストもかかりません。

メンテナンス業務の負担を軽くしたい方や、ERP導入を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。

 

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