「ERPについて知りたい。でも、専門用語が多く読んだだけになってしまった」という経験はないでしょうか?
今回は業務効率の大幅向上による人手不足解消も可能なERPについてわかりやすく解説します。
専門用語だらけの内容ではありませんので、ぜひ最後まで読んでみてください。
10分後には、ERPの基本から選び方までの知識が身につくはずです。
【ERPの基礎知識】導入の魅力とは?
「ERP(イーアールピー)」とは、現在使用しているシステム上にある情報を一元管理し、より効率的に業務を進めるためのソフトウェアです。
しかしこれだけでは、まだピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
まずは、よりしっかりとERPを知るためにも、基礎知識を身につけましょう。
ERPは既存システムのパイプ役!各部門の情報一元管理で効率化するシステム
ERPを町内会役員、既存のシステムを各家庭とイメージしてみてください。
各家庭の要望や町内の環境は、担当している役員が随時チェックして情報を収集しているからこそ、町内会会長は適切なタイミングで効率良く動けます。
しかし、町内会役員がいなければ、町内会会長の負担は計り知れないでしょう。
つまり「役員がいない状態の会長」が、既存のシステムだけに頼っている現状ということ。
ERPという町内会役員がいて、各家庭という既存システムからの情報を管理する。
町内会として見ると当たり前の体制ですが、ERPを取り入れている企業は少なく仕事量の多さにあえいでいるのが現状です。
それでは、ERPを導入した際の具体的な魅力(メリット)を見ていきましょう。
ERPでなくならない残業・慢性的な人手不足の悩みを解決できる
業務効率の悪さによる、なくならない残業。
残業の多さから退職する社員も多く、ベテランとなりうる社員が育たない、さらに慢性的な人手不足に陥っている中小企業が後を絶ちません。
しかしERPなら情報の一元管理により、業務効率は大幅に向上し、人手不足の悪循環を断ち切れます。
例えば、仕事が間もなく終わりそうなA班と、まだ仕事が残っているB班がいたとします。
ERPによって情報の一元管理ができていれば、各班が担当している業務量の把握もしやすく、適切に仕事を分担可能です。
結果的にA班もB班も定時で帰宅でき、残業のループから解放されます。
働きやすい環境が構築できれば、社員も定着しやすくなり人手不足も解消です。
続いて、ERP選びの大切さを考えてみましょう。
ERPは「導入」よりも「選び方」が大切
ERPは「オンプレミス型」と「クラウド型」に分けられ、さらに「フルスクラッチ型」と「パッケージ型」に細分化されています。
名称からすでに専門用語になっており、わかりにくさも感じられます。
そのため、それぞれのメリットやデメリットなどの特徴を理解していなければ、せっかくERPを導入しても使い勝手の悪いシステムになる恐れも。
どのERPが自社に必要なのかをイメージしながら、特徴を踏まえて検討していきましょう。
ERPは「オンプレミス型」と「クラウド型」どちらが優秀かを検証
どちらのERPがいいか、結論から先に言うなら、中小企業ならクラウド型がいいでしょう。
しかし、社内でERPを検討するなら、クラウド型をよしとする根拠が必要です。
2種類のERPを知り、よりよい選択につなげて頂ければ幸いです。
カスタマイズ性に優れて使いやすい「オンプレミス型」
「オンプレミス型」とは、情報を保存するサーバーを社内に設置するタイプのERPです。
メリットとデメリットは以下の通り。
メリット | デメリット |
・使い方に合わせて自由にカスタマイズ可能 ・既存システムとの連携がしやすく導入しやすい |
・サーバーを始めとする機器にコストがかかる ・導入までの期間が長く、担当者の負担が大きい ・サーバーの場所は一度決めたら動かせない ・災害時は復旧までに時間がかかる ・性能アップにコストと時間を要する ・システムトラブルは自社で解決しなければならない |
ERP導入に際して、コストや時間に余裕があり、社内にサーバーを設置するだけのスペースがあればオンプレミス型が優秀。
しかし、中小企業の現状を考慮すると現実的とは言えないのではないでしょうか。
次にクラウド型を見てみましょう。
コストパフォーマンスに優れて導入しやすい「クラウド型」
「クラウド型」とは、情報を保存するサーバーを、インターネットを通じて利用するERPです。
クラウド型のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・サーバー設置不要なため低コストかつ短期間で導入可能 ・サーバーのスペックアップが手軽にできる ・会社が移転してもすぐに使える ・トラブル発生時はクラウド事業者が対応するから安心 |
・オンプレミス型に比べてカスタマイズ性に劣る ・既存システムとの連携は専門知識が必要 |
自社にシステムエンジニアを雇い入れる必要もなく、低コストで導入が可能。
中小企業が導入するERPとして現実的です。
【結論】中小企業なら「クラウド型」が導入・運用しやすい
実を言うと、クラウド型のデメリットはあってないようなものです。
なぜなら、カスタマイズが不要なほど高機能なERPが存在し、既存システムとの連携は専門企業に任せれば解決できるため。
結果的に残るのはメリットのみとなるため、中小企業ならクラウド型が導入しやすいでしょう。
ERPは「フルスクラッチ型」と「パッケージ型」のどちらいいか徹底検証
わかりやすく言うなら、フルオーダーメイドのスーツと既製品のスーツのどちらがいいかを選ぶこと。
「時間も人手も資金も足りないのだから既製品に決まっている」と思う方がいるかもしれません。
しかし、コストや手間ばかりに気を取られていると思いがけない事態に見舞われる可能性も。
それぞれの特徴を把握して、適切に選びましょう。
自社にベストフィットなシステムが手に入る「フルスクラッチ型」
「フルスクラッチ型」とは、自社に合わせてフルオーダーメイドのシステムを作り上げる方式です。
長期的に取り組まなければならないうえに多額のコストがかかる反面、使いやすさは群を抜きます。
言うなれば、進化した既存のシステムをそのまま使っているかのような感覚です。
新しいシステムに慣れるまでの時間が短く、社員のストレスも最小限に抑えられます。
短期間で素早い導入が可能な「パッケージ型」
「パッケージ型」とは、必要な機能がセットになったシステムを取り入れる方式です。
システム自体が既に完成しているため、低コストかつ短期間で導入できます。
ただし、導入してから慣れるまでは時間を要する場合も。
不慣れなシステムの操作が与える影響は、社員へのストレスだけでなく、業務効率悪化にもつながります。
導入前の説明会や、導入後のサポート体制充実化など、対策をしておく必要があります。
【結論】担当社員の負担少なくスモールスタート向けの「パッケージ型」が有利
注意すべきポイントがあるものの、適切な対策を実行すれば問題がないため、パッケージ型が中小企業向きでしょう。
スピード感をもってERPを導入できるのもポイント。
導入がスピーディーにできれば、それだけ早く業務効率化が可能になり、業績向上を見込めます。
しかし、どのようなERPがいいのかわかったとしても、専門知識を持った社員がいない状態での導入するのは困難です。
状況を打破するのに必要なのは、IT人材の確保または専門のベンダー企業への外注です。
ベンダー企業選びのポイントを確認し、適切な企業を選びましょう。
ERP導入時にチェックすべき3つのポイント
ERP導入のためにベンダー企業を選ぶ時のポイントを紹介します。
IT人材の確保や育成が難しい中小企業が間違いのないベンダー企業を選ぶためのポイントです。
ERP導入検討に向けた役員会の際にお役立てください。
ポイント1.ERPコンサルティング・保守・運用の一貫対応の可否
ERP導入までの大まかな手順は以下4つです。
- コンサルティングによりシステムの問題点や使用環境をチェック
- 適切なERPの検討
- ERP導入
- ERPの運用・保守
上記の手順をそれぞれ別の企業に依頼すると、依頼先企業の検討や連絡調整など、膨大な手間が必要なのは明白。
ではどうするのかと言うと、コンサルティング・導入・運用・保守まで一貫して任せられる企業に依頼します。
いわゆる「ワンストップ」と言われるサービスです。
自社の手間とコストを抑えるためにも、必ずチェックしましょう。
ポイント2.ERP導入後のサポート充実度合
トラブル発生時に受けられるサポート体制の代表的な例が以下3つです。
- サポートデスクに電話し、指示を受けながら自力で対処する
- ベンダー企業スタッフが社内に常駐してフォローする
- リモート(遠隔操作)でトラブルを解消する
以前からあるのは安心感が最も高い常駐サポート、コストパフォーマンスに優れるのはサポートデスクサポートです。
対して最近増加傾向にあるのが、感染対策を気にせず速やかに対応が可能なリモートサポートです。
コストとサポートの手厚さのバランスを考慮しながら過不足のないように選びましょう。
ポイント3.ERPのなかでも製造業ジャンルが得意かどうか
製造業に特化しているベンダー企業を選ぶメリットは経験の豊富さによる専門性の高さです。
万が一のトラブルの際も、経験が豊富なら速やかに解決でき、業務への支障が最低限で済みます。
製造業ジャンルが得意かどうかは、電話による問い合わせでチェックするのがおすすめ。
ホームページでもチェックできますが、電話のほうが社員の接遇マナーの良し悪しがわかりやすいためです。
接遇マナーまで教育が行き渡っている企業なら、より安心してERP導入を任せられます。
ERP導入で悩んでいる製造業担当者の方へ
今回はERPについて解説しました。
中小企業が導入するなら「クラウド型かつパッケージ型のERP」というのが結論です。
導入支援を依頼する企業を決めかねているなら、製造業を始めとする海外企業のERP導入実績のあるチェンシージャパン株式会社にお気軽にお問い合わせください。
ワンストップで社内環境に柔軟に対応可能なERPをご用意しております。