負荷計画上の無限山積みとは?工程管理の負荷配分をわかりやすく解説

  • 2022年1月19日
  • 2022年1月19日
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負荷計画における無限山積みのメリットは工程の可視化や作業の平準化です。

しかし、煩雑かつ仕事量の多い工程管理において、負荷計画のズレによる工程の計画見直しを余儀なくされるケースも。

そこで負荷計画における無限山積みのやり方や、負荷率の計算方法を解説します。

わかりやすく説明いたしますので、現場スタッフの残業や休日出勤の削減にお役立てください。

そもそも「無限山積み」とは?【基礎知識】

無限山積みとは、製造現場の仕事・スケジュールに対して、作業・工数を積むことです。

まとめてきた注文を、日々のタスクとして積み上げるため、”山積み”と呼ばれています。

このとき、規定値を超えたものに対して、他の月に作業を分散させることを”山崩し”と呼びます。

無限山積みの問題点は、作業の標準化が難しいこと。

そこで大切になるのは、無駄を省いて効率的な生産管理をすることです。

続いて、山積み表の基礎知識をみていきましょう。

山積み表は製造期間と生産量を表す

生産管理では、何を・いつまでに・どれくらい生産するかを可視化する必要があります。

日々の生産量や現場スタッフに対する負荷を平準的にするためです。

そして、平準化を通して工程管理をわかりやすくするために必要なのが山積み表。

山積み表とは、月・週・日などの期間を縦軸に、人員・設備などの資源を横軸にして表したグラフです。

まずは生産能力を度外視してグラフに書き出し、続いてグラフの凹凸をならしてフラットな状態にします。

どの程度の仕事量になるのかを把握するためにグラフに書き出し、生産能力に合わせて効率よく生産できるように調整するという訳です。

山積み表のグラフをフラットにする作業が山崩しであり、生産性の向上に欠かせない作業となります。

負荷工数は無駄なコスト軽減のために算出

営業が獲得した仕事で最大限の利益を得るためには、生産ラインの効率化が必要です。

例えば10日間で100個製造する仕事があり、人材が不足したため派遣社員を準備したとします。

しかし実際には6日間で終わってしまった場合、無駄になるコストが大きくなるのは明らか。

受注した仕事に対するコストを抑え、最大限の利益を得るためには、納期ギリギリで製造を終わらせるのがベスト。

納期の違う複数の製品をどのラインに・どれだけ割り振るのかは計算した負荷工程をもとに考えます。

受注に変動がないという状況はほとんどありませんが、負荷工数を算出しながら工程管理をすすめます。

負荷工数を算出するための式:負荷工数=Σ[Ni×(1+xi)×ti]+Q+R
負荷工数式参考:1.1 負荷工数の算出|MONOist

【3ステップで解説】生産の負荷率を計算する方法とは?

負荷計画は、与えられた期間内に生産が完了できるかどうかの判断基準にもなる大切な作業です。

負荷計画を作成する際に必要になるデータは機械や人の負荷率。

負荷率を計算する方法を解説します。

負荷率の計算はデータが揃っていれば難しくないため、初めての方もご安心ください。

ステップ1.負荷率計算に必要なデータを収集

負荷率の計算に必要なデータは以下の通りです。

  • 機械の標準工数(機械の台数及び製品別の標準工数)
  • 製品の作業にあたる人員数
  • 1人あたりが受け持つ機会台数
  • 人の標準工数
  • 1ヶ月間の生産量
  • 歩留まり率
  • 1日の稼働時間
  • 1月の稼働日
  • 出勤率

データの管理はERPソフトウェアがあれば容易ですが、ない場合はエクセルでフォーマットを作成して管理しましょう。

データが揃ったところで、負荷率の計算を開始します。

ステップ2.機械の負荷率を計算

機械の生産能力と保有台数が適正かどうかを確認する作業です。

機械の生産能力は以下の式で算出されます。

  • 1ヶ月の生産能力=(生産量/時間)×1日の稼働時間×1ヶ月の稼働日

機械の生産能力を算出した後、機械の必要台数を計算します。

  • 機械の必要台数=1ヶ月に生産しなければならない数量÷1ヶ月の生産能力

機械の必要台数が現有保有台数を上回っている場合、1ヶ月あたりの生産量調整や外注などの対応が必要です。

ステップ3.人の負荷率を計算

機械が不足していないか・期間内の製造が可能かを確認した後、人に対しても同様に負荷率を計算します。

1ヶ月に必要な所要工数の計算式は以下の通りです。

  • 1ヶ月に必要な所要工数=1ヶ月の生産量×標準工数

標準工数は、機械を1台扱うのか2台扱うのかによって異なる点に注意です。

Aという製品に対して、機械を1台扱う場合の標準工数が0.01だった場合、2台になると0.005と半分に。

標準工数を間違えると生産計画が大幅に狂ってしまうため、念入りな確認が大切です。

続いて必要な人員数が整っているかを、以下の式で計算します。

  • 必要な人員=1ヶ月に必要な所要工数÷1日の稼働時間÷1ヶ月間の稼働日÷出勤率

算出した必要人員数と保有人員数を比較。

人員が不足する場合は、残業・休日出勤の調整や派遣社員の獲得などで対応します。

負荷配分による日別調整で工程管理をスムーズに

負荷配分とは日別の負荷計画を指し、納期に対する計画のズレを調整する役割があります。

受注した仕事を自社工場で生産する際は、フタを開けてみないとわからないという部分もあるでしょう。

そこで負荷配分を行い、納期に合うように都度の調整をかけます。

すぐに活用できるよう、負荷配分の方式とやり方についてわかりやすく解説します。

負荷配分の方式は2種類

負荷分配はフォワード方式(順行負荷法)とバックワード方式(逆行負荷法)の2種類があります。

フォワード方式とバックワード方式のどちらかを行うのではなく、それぞれの役割に違いがあるのがポイント。

それぞれの方式の特徴と使うシーンについて表にしましたので参考になさってください。

フォワード方式(順行負荷法) バックワード方式(逆行負荷法)

現時点を基準として負荷を設定する方法。

工程を加工順に従い、計画における時間軸に沿って負荷していく。

バックワード方式に比べて手順が簡単で、納期を算定する際に使用される。

納期を基準として負荷を設定する方法。

時間軸を逆から追うため、負荷の移動・調整が増えると計算が複雑になる。

受注後の負荷配分に使用される。

生産ラインにおいて、生産計画の通りに製造ができるケースはほとんどありません。

常に動きのある現場に対して、必要かつ適切な方法で柔軟に対応します。

負荷配分で行うのは山積みと山崩し

負荷配分のために、どれだけの製品をいつまでに製造するかを可視化します。

製造の可視化に使用するのは山積み表。

下記の手順に沿って山積みを行います。

  • 山積みの方法
  1. 負荷計画前の基準日程計画や生産計画を取り込む。生産リードタイムは前倒しに設定し、歩留まりは割り戻す。
  2. 月・旬・週・日など計画期ごとに、工程別の負荷を算出して山積み表を作成する。
  3. 生産能力と生産負荷(仕事量)を比較する。

山積み表は生産能力を度外視するため、生産能力を超えた部分が出ます。

そのため負荷配分は山積みだけでは終わりません。

生産能力に合わせて山崩しを行い、効率的に生産できるよう調整しましょう。

突発的な受注を考慮し、若干の余裕を持たせて調整するのがポイントです。

山崩しの手順は以下の通りです。

  • 山崩しの方法
  1. 山積み表で生産負荷が生産能力を超えているポイントを探る
  2. 生産負荷を余裕のある計画期に移動する
  3. 最終的な計画を作成する

生産ラインでは、標準時間が予定よりも長くなる、欠品によって製造がストップするなど様々なトラブルが発生します。

しかし全ての作業をオートメ化するのは困難で、人為的なトラブルは避けようがありません。

そのため、発生したトラブルに対する対応の素早さこそが生産効率と生産性の向上の要になります。

工場内の素早い情報伝達と管理しやすい環境作りが大切なポイントです。

工場の見える化と素早い情報伝達はERPが可能に

「生産管理の業務は煩雑で、どこから改善していいのかわからない」と感じている方が多いのではないでしょうか。

生産管理の業務はもともとが煩雑ですが、さらに悪化させている原因は、各部署が抱える情報のブラックボックス化です。

どの部署にどの情報があるのかがわからず、トラブル解決に向けて走り回っている間に時間ばかりが過ぎ去る。

結果として対応の遅れが納期にも影響したあげく、終わりの見えない仕事に嫌気がさした経験をするケースも。

生産管理における悩みの大部分を解決できるERPについて説明します。

ERPとは各部署のパイプ役となるソフトウェア

ERPとは既存のシステム同士をつなぎ、素早い情報共有と工場の見える化を図るためのソフトウェアです。

維持管理ができず、デジタルの恩恵を十分に受けられていない状態を指す「システムのレガシー化」が問題になっている企業で活躍します。

例えば生産管理。

締め切りに追われながら生産計画を作り、部品や資材の調達や人員の配置、工程管理などと業務負担の大きさが問題になっているケースが少なくありません。

特に工程管理では、欠陥品チェックのために生産ラインに様子を見にいく必要があり、体がいくつあっても足りない状況も実在します。

しかしERPの導入により、欠陥品がいつ・どこで発生しているのかが自分のデスクで分かるようになるとどうでしょうか。

次の生産工程に必要な生産計画作成と工程管理という2つのタスクを同時に進行できます。

さらに欠品や資材不足など、生産ラインで発生した問題も速やかに察知。

トラブルに対するスピード感のある対応が可能になります。

ERPは低コスト・アジャイルで導入可能

近年では、ERPはクラウドを利用したコンポーネント型が注目を集めています。

自社にサーバーを設置する必要がなく、必要なシステムだけを選べて低コストで導入可能なためです。

経済産業省が「中小企業デジタル化応援事業」を推進している通り、デジタル化が必要なのは中小企業です。

同省が発表したデータによると、製造業は全体の85%以上が中小企業。

製造業は中小企業によって成り立っていると言っても過言ではない数字です。

ERPは限られた状況下で活用でき、生産性の向上に貢献する低コストのソフトウェアです。

ERPについては、下記記事でわかりやすく解説していますので、ぜひ参考になさってください。

IFS LABO blog by CHENGSI Japan

ERPの基本から選び方まで、専門用語を詳しく解説しながらお伝えします。「ERPの導入を検討しているけれど、難解な言い回し…

作業工程の負荷配分は無限山積み・山崩しで適正化

今回は、負荷計画における無限山積みについてお伝えしました。

特に大切なポイントは2つ。

基礎知識として用語理解を進める点と、無限山積みと山崩しによる工程管理です。

ポイントを押さえて仕事を進めると、きっと生産効率が向上します。

しかし、システムの効率性の悪さを感じた方は、チェンシージャパン株式会社へお問い合わせください。

中小企業向けの優れたERPソフトウェアの相談をお受け致します。

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