これまで、パッケージソフトウエアであるIFSをカスタマイズする場合は、IFS社もしくはパートナーに依頼していた企業も多いのではないだろうか。
基本的にはそうだ。そうであった。と私も理解している。
しかしながら、現在(2021年3月時点)はIFS Developer Portalが公開されており、IFS ApplicationもしくはIFS Cloudの開発におけるかなりの情報をユーザー企業自らが取得できそうなのである。
この記事では、IFS Developer Portalの特徴・今後の開発における可能性を解説する。
現在IFSを利用中・もしくは検討中で、開発を自社でチャレンジしたいと考えている方には是非参考にして欲しい。
IFS Developer Portalの特徴
トップページはこれだ。誰でもアクセスできるようになっている。
少しスクロールすれば、右側に開発に必要なDevelopr Studioのダウンロードに始まり、基本的なフレームワーク理解のためのFoundation 1 Overview、インストレーションガイド、コンフィグガイド、Aurenaの場合のコンフィグガイド、開発ガイドなどが閲覧できるのだ。
これは画期的だ。残念なのは、まだ英語版しかない事だ。日本語版のリリースはIFSに期待するとして、この変化に対して以下2点を考察をしてみたい。
- Slerのビジネスの縮小
- IFSの市場拡大スピード加速の可能性
1.SIerのビジネスの縮小
まず最初に考えられるのは、SIerのビジネス縮小である。
これだけの情報やツールが公開されれば、ユーザー企業側で多少の開発経験のあるメンバーをアサインすれば自ら習得して帳票や少々のカスタマイズは可能になってくるだろう。
こうなると、SIerは儲けの源を失うのである。
しかし、こんな事であたふたしていてはSIerとして失格だろう。
SIerの本質は、システム導入を通じたお客様の業務改革のはずだ。人月商売ではない。
お客様の業務改革がより効率的にでき、お客様自らがメンテナンスやカスタマイズを通じて不断の業務改革を行えるのであればそれを歓迎すべきである。
SIerは今後、どうしても社内に開発リソースなどが用意できない企業に向けてのみ、サービス提供を行い、より多くのお客様の業務改革を支援すれば良いだけの話だ。
自走できる企業には自走していただく。当然の姿ではないだろうか。
2.IFSの市場拡大スピード加速の可能性
次に考えられるのはIFSの市場拡大だ。
このような情報がどんどん公開されると、ユーザーが自ら対応できる事が増え、SIerの対応する工数が減るとSIerは一つのプロジェクトにかける人数が減るのである。
今まで10人かけて立ち上げていた導入プロジェクトが、お客様の手を借りて半分の5人でできるという事が起こってきそうだ。
残った5人は次のお客様のサポートをする。
これをつきつめて行き、一つの導入に1人か2人しかかからないとするとどうだろうか。
同じ人数で1年で導入できる数が、5倍にも10倍にも増えるのだ。
ユーザー企業は導入費用を抑えられ、SIerとIFS社は次々と市場を獲得でき、Win-Win-Winの構図が発生する。
このように考えてみれば、自社内に数人の開発者を置き、習得を試み、ベンダーへの支払いを抑制するユーザー企業が出てきてもおかしくない。
取り組む余力のあるユーザー企業には是非取り組んでみていただきたい。
無論、現状の契約形態がどうなっているのかは、要事前確認である。
IFS Application・IFS Cloudの開発にチャレンジしたい方へ
IFS Developer Portalの特徴と、今後の可能性を解説した。ポイントは以下にある。
- 開発ドキュメントが公開されてきた
- ユーザーがチャレンジできそうだ
いきなり自分でチャレンジするのは不安な方、経験者に相談してみたい方、こちらからどうぞ。
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チェンシージャパン株式会社社長のKentaro Iwahoriです。 これまでIFSCloudやIFSDeveloperについて記事にしてきたが、そもそもIFSって何?と思っている方もいるだろう。 統合型のグローバルERPといえばS[…]
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