チェンシージャパン株式会社社長のKentaro Iwahoriです。
これまでIFSCloudやIFSDeveloperについて記事にしてきたが、そもそもIFSって何?と思っている方もいるだろう。
統合型のグローバルERPといえばSAPやOracleを多くの人が最初に思い浮かべるであろうし、検討の候補に挙がるかと思う。
IFSはグローバルでは独自のポジションを確立しているものの、日本ではその真価が必ずしも適切に評価されていない側面もある。
この記事では、「IFSの歴史・IFSの特徴」について解説する。
現在ERPの選定に携わっている方、情報収集をされている方は是非参考にして欲しい。
ERPソフトウェア「IFS」の歴史
IFSは1983年、ベント・ニルソンが大学在籍中に他の4人の学生と共にスウェーデンにて設立。
この頃のスウェーデンはエネルギー革命が起こった時期であり原子力発電所の建設ラッシュの真っ最中であった。
その際、IFSのファウンダーの一人が、客先にテントを張り何日も徹夜をして設備管理・メンテナンスシステム(IFS Maintenance)を作り上げたのが始まりだ。
現在の日本においても、客先常駐して黙々とお客様の要件をヒアリングし、業務にあったシステム開発をしている現場は多いのではないだろうか?
彼らは、まさにそれを38年前にやっていた。
それ故、マーケティング活動よりもシステムの機能面の充実にウエイトを置いている節がある。
誕生したのが、設備管理・メンテナンスシステムであったために、グローバルERPとなると日本での認知度が低いのもその為であろう。
その後、改良を進め、IFSがERPを「IFS Applications」としてリリースしたのは1990年だ。
現在進行形で、約30年間、機能の改善が行われ続け世界のオペレーションが贅沢に詰まっているのだ。
【基礎知識】ERPとは何か、IFS Applicationsとは?
画像引用:IFS
ERPとは、多岐にわたる業務を統括管理を可能にするソフトウェアのこと。
ERPソフトウェアのひとつIFS Applicationsは、以下の効果が期待できる。
- 深い顧客関係を築き、顧客が満足するようなビジネス成果を提供可能に
- コスト節約を徹底しながら、多くを達成できるシステム構成
効率的な企業成長促進効果・顧客満足度を高めるための施策づくりにも役立つ、コスパが良いソフトウェアなのだ。
IFS ApplicationsのERP機能面評価は「世界一」
IFSより深い顧客関係を築くことで、確かな情報に基づく Applicationsは、IDC社の製造向けERPで機能面世界一の評価を受けている。
顧客に寄り添い良いものを作りたいという、熱意の表れが通じたのだろう。
この評価は、システム構築の際の標準機能が非常に充実しているということを指す。
以前は、(いや、現在も)Fit&Gapをして、Gapの部分をカスマイズしている現場は多くあるだろう。
そうすべきではない。
現在は改良しつくされた機能を利用し、Fit to standard という考え方で、標準機能に合わせて業務プロセスを構築していくことが可能になっているのだ。
ERP「IFS Applications」の特徴
前途で述べた通り、IFS Applicationsの一番の特徴は、標準機能が非常に充実しており、カスタマイズなしでも対応できる業務がほとんどであるという点だ。
これは2025年の崖問題にも直結してくるが、日本のものづくり特有の複雑な生産方式にシステムを無理やり対応させるためにカスタマイズだらけになっていて、既存システムが肥大化・複雑化・ブラックボックス化している企業が多く存在する。
過剰なカスタマイズにより爆上がりした保守費も、DX実現の足かせになっていることは容易に想像できる。
IFS Applicationsを説明する際、上記のモジュールタワーがよく用いられる。
ブロック型のアーキテクチャは、導入時に必要なモジュールだけを選択できる利点があり、ビジネスの変化に応じて容易に拡張可能であるメリットが大きい。
IFS Applicationsは、上記のような拡張性の高さや不要な投資を強いられず早期ROIを実現できる構造面で、経営者層から高く評価されている。
中核機能の生産管理においては、汎用的な繰り返しの量産製造だけでなく、受注設計生産(ETO)、個別受注生産(CTO)、受注組立生産(MTO/ATO)といった製番・プロジェクト型の生産方式に対応している。
さらに、IFS誕生の元であるEAM(Enterprise Asset Management)と設備管理・メンテナンスといった機能に強みがある。
そのため、むしろ通常のERPでは難易度の高い売り切り型ではない、ライフサイクルでの「ものづくり」ビジネスへ標準機能で対応できるのだ。
つまり、IFS Applicationsは多数の設備投資とメンテナンスをしながら「ものづくり」をしていく製造業には特にお勧めできるパッケージとなっている。
実際に実現した企業の事例を以下にて紹介しているので、是非参考にして欲しい。
これまで、パッケージソフトウエアであるIFSをカスタマイズする場合は、IFS社もしくはパートナーに依頼していた企業も多いのではないだろうか。 基本的にはそうだ。そうであった。と私も理解している。 しかしながら、現在(2021年3月時[…]
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