DXとデジタル化の違いとは?成功ポイントと注意点【中小企業向け】

  • 2021年6月26日
  • 2022年7月21日
  • DX・IT

IT技術の発展により、DX・デジタル化に取り組む企業が増えています。

従来の設備・仕組みを変えるという意味を持つ、DXとデジタル化。

混同しがちですが、具体的には意味が異なります。

簡単に表すと、DXは概念でデジタル化は取り組みです。

この記事では、DXとデジタル化の違い・DX化の成功ポイントと注意点について解説します。

DXとデジタル化の違いとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学教授のエリック・ストルターマンが提唱した概念。

デジタル化とは、デジタル技術を活用しコスト削減につなげる取り組みを指します。

DXとデジタル化は、従来の設備・仕組みを変化させる点では同じです。

しかし、DXとデジタル化では目的が異なります。

では、2つの目的について見ていきましょう。

DXの目的:競争優位性の確立

まず、DXの定義について解説します。

経済産業省が発表したDX推進ガイドラインVer.1.0で以下のように定義しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

引用:経済産業省|産業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進施策について

広義の意味でDXとは、IT技術を活用して生活をより良いものへと変革させることを意味します。

一方、ビジネスにおいてDXの目的は競争優位性の確立です。

デジタル技術を活用し、ビジネスモデルや業務を変革させることを意味します。

デジタル化の目的:業務の効率化

デジタル化の目的は、あくまで業務の効率化です。

デジタル化が推進することで、業務が効率化とコスト削減が可能。

そのため、多くの企業がデジタル化を取り入れ始めています。

DXとデジタル化が似ている理由は、デジタル化が進むにつれてDXへと変化する関係なため。

デジタル化がDXに発展するには、以下3ステップが必要です。

  1. デジタイゼーション(デジタル化):デジタル技術により、業務を効率化しコストを削減
  2. デジタライゼーション:既存価値をデジタル化しつつ、新規価値をデジタルによって創造
  3. デジタルトランスフォーメーション(DX):デジタル技術により、生活を変革

上記の3ステップを踏まえたうえで、DX化が必要な理由を把握し、効果的な施策を実施することが大切です。

それでは、DX化が必要な理由をみていきましょう。

中小企業こそ、DX化(デジタルトランスフォーメーション化)が必要。理由は4つ

現在、大手企業が率先してDX化を進めています。

しかし、すぐにでもDX化すべき企業は中小企業です。

中小企業こそDX化が必要である理由は以下の4つ。

  1. 業務の改善・効率化
  2. 人材不足の解消
  3. 経済損失から脱却
  4. BCP対策(事業継続対策)の強化

4つの理由について解説します。

DX化の必要性1.業務の改善・効率化

DX化が必要な1つ目の理由は、業務の改善・効率化です。

DX化により、業務の改善・効率化ができると業務の生産性が向上します。

DX化は、人手作業をデジタル技術により自動化・標準化でき業務の非効率を見直すきっかけになるでしょう。

たとえば、AIやIoT、ビックデータなどのデジタル技術・通信技術を活用したアプリ、新規業務システムを導入。

すると、業務の生産性が向上し、会社の利益も上がる可能性が高いです。

DX化の必要性2.人材不足の解消

DX化が必要な2つ目の理由は、人材不足の解消です。

中小企業では、労働者の減少により人材不足・人材確保に苦戦しています。

DX化すると、業務が自動化でき従業員の負担を減らせるでしょう。

また、クラウドを利用する業務環境に変えると、テレワークや在宅勤務ができ、さまざまな働き方が可能です。

優秀者な従業員を確保・維持するためにも、DX化し働きやすい環境を作ることが大切です。

DX化の必要性3.経済損失から脱却

DX化が必要な3つ目の理由は、将来起こりうる経済損失から脱却するためです。

現在、DXに取り組んでいる企業は一部の企業のみと言われています。

経済産業省が2018年に発表したレポートによると、日本企業が今のままDXに取り組まない場合、2025~2030年の間で年間12兆円の経済損失が発生する可能性があると警告。

そのため、数が多い中小企業がDX化する必要があります。

これからIT技術が発展し、ますます競争が激化すると考えられているため自社はもちろん日本のためにもDXへの取り組みが重要です。

DX化の必要性4.BCP対策(事業継続対策)の強化

4つ目の理由は、BCP対策(事業継続対策)の強化です。

BCPとは、Business Continuity Planの頭文字を取った言葉で事業継続計画を指します。

BCP対策は、企業が災害やシステム障害といった非常事態に陥った際でも事業を継続できるよう対策することです。

データを一元管理できるシステムの構築やECサイト・オンラインサイトへ流通を拡大することで、自然災害に対応でき、人件費の削減や業務の効率化ができます。

中小企業におすすめのDX例3選(デジタルトランスフォーメーション化)

DXを取り入れることで、成功している事例がいくつも存在します。

ここでは、中小企業におすすめのDXを取り入れた事例を3つ紹介。

では、3つの事例について見ていきましょう。

DX例1.脱ハンコ・ペーパーレス化(電子契約サービス)

1つ目の事例が、脱ハンコ・ペーパーレス化です。

電子契約サービスを導入することで、脱ハンコ・ペーパーレス化できます。

電子契約サービスの導入により、従来よりも素早い契約が可能。

電子契約では、ハンコの代わりに電子署名するため契約作業をデジタル化できます。

DX化により、業務効率が上がり、離れているクライアントとも契約できるため機会損失を防ぐことが可能です。

DX例2.電子請求書(クラウドサービス)

2つ目の事例が、電子請求書です。

電子請求書は、販売管理システムのデータをもとに請求書を自動作成できます。

作成したデータを相手に送信することで、従来では必要だった請求書作りから発送までの工程を簡素化。

電子請求書は、クラウドサービスのためテレワークや住宅勤務でも対応可能です。

クラウドサービスを活用することで、コスト削減ができ離れている人と連携しやすくなります。

DX例3.オフィス縮小(リモートワーク)

3つ目の事例が、オフィス縮小です。

DXによりクラウド環境になれば、リモートワーク(テレワーク・住宅勤務)が可能になり、オフィスを縮小できます。

オフィスの縮小によって、家賃などのコストを削減、代わりに事業資金として使えるため企業の成長につながりるでしょう。

また、DX化により場所や環境に縛られない働き方ができるため、優秀な人材の確保・維持の可能です。

DX化(デジタルトランスフォーメーション化)を成功させる3つのポイント

DX化を成功させるポイントは以下3つです。

  1. 目的の策定
  2. 適切なシステムの導入
  3. 経営トップのコミットメント

特にDXにおいては、目的の策定が非常に重要。

では、3つのポイントについて解説します。

DX化成功ポイント1.目的の策定

1つ目のポイントは、目的の策定です。

DX化において、DXをする目的を明確にさせることは非常に重要。

DXは、新しいツールやシステムの導入が目的ではありません。

DXを取り入れることで、自社にどんなメリットがあるのか理解したうえで今後のビジョンを立てましょう。

DX化成功ポイント2.適切なシステムの導入

2つ目の目的は、適切なシステムの導入です。

新しいツールやシステムの導入は、DXにおいて目的ではなく手段。

レガシーシステム(古くなったシステム)を放置しておくと、コストがかかり生産性も下がります。

そこで、組織やチームに合う適切なシステムの導入が必要です。

合わないシステムを導入すると、かえって邪魔になり生産性を下げる恐れがあります。

そのため、誰でも扱えるシステムを導入しましょう。

DX化成功ポイント3.経営トップのコミットメント

3つ目のポイントは、経営トップのコミットメントです。

DXするには、経営トップのコミットメントが欠かせません。

現場の社員だけがDXに向けて取り組んでいても、経営トップがDXの重要性に気がついていなければトラブルが生じる可能性があります。

経営トップが、DXに対してどのように思い自社をどうしたいのか明確にする必要があるでしょう。

また、現場の社員とコミュニケーションをとり、会社全体で同じ目的に向かうことが大切です。

DX化(デジタルトランスフォーメーション化)の注意点

DX化において注意すべきことは、変革を恐れないことです。

DXに取り組むことで、従来のシステムやワークフローが変化します。

変化することで、生産性が下がる可能性や現場から不満の声が上がるかもしれません。

しかし、ビジネスにおいて失敗はつきものです。

挑戦し失敗を活かすことで、成功に近づけます。

DX推進には、時間がかかるでしょう。

だからこそ、会社全体で一丸となりDXに向けて取り組む必要があります。

デジタル化との違いを理解して、DXを効果的に推進しよう

この記事では、DXとデジタル化の違い・DX化の成功ポイントと注意点について解説しました。

DXとは、2004年に提唱された概念で、IT技術を活用して生活をより良いものへと変革させることです。

デジタル化とは、デジタル技術を活用しコスト削減につなげる取り組みを指します。

ビジネスにおけるDXの目的は競争優位性の確立で、デジタル化の目的は業務の効率化です。

混同しがちなDXとデジタル化の違いをしっかりと理解しましょう。

また、DX化を成功させるポイントは以下3つです。

  1. 目的の策定
  2. 適切なシステムの導入
  3. 経営トップのコミットメント

特に、目的の策定は非常に重要です。

DXする目的は何か・DXすることで会社がどう変化するのかを明確にする必要があります。

目的を明確にし、会社全体でDXを推進しましょう。

 

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