医療・医療機器のERP事情とは?導入例や具体的なメリットを解説

  • 2022年4月22日
  • 2024年4月23日
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医療機器メーカー・医療現場でのERP導入は、大幅な効率化を叶える要素として重要であり、今後のERP需要の急速拡大が見込まれています。

なぜ、昨今の医療・医療機器分野でERP市場が成長しているのか、医療・医療機器分野のERP事情を紹介します。

ERP導入例や具体的なメリットとあわせて、ぜひご覧ください。

なぜ医療分野にERPが求められるのか?

治療法・治療薬・福祉・医療機器など、医療分野は日進月歩の世界です。

共通した目的は、少しでも多くの病気や障がいからヒトの命や生活を守ること。

重要な役割を担う医療分野に対し、ERPが求められる理由を解説します。

理由1.医療機器製造では正確性と緻密さが求められる

例えば、会社の健康診断で胃カメラを受ける必要があったとしましょう。

胃カメラは口や鼻から挿入しますが、もしも検査中に先端の部品が落ちたとしたらいかがでしょう。

重大な医療事故になり、医師の機器点検不足と医療機器メーカーのどちらも責任を問われかねません。

医療機器メーカーの製造現場では、緻密な作業を正確にこなす必要があります。

しかし、業務プロセスの平準化がされていなかったり、日々煩雑な業務に追われたりしているとミスが起きてもおかしくはありません。

そこで活躍に期待されているのがERPです。

ERPは医療機器製造工場の可視化が可能なため、作業の平準化や効率化に大きく貢献します。

理由2.医療現場の人材不足をカバーできるシステムが必要

医師や看護師が不足し、医療現場は切迫した状況が続いています。

電子カルテの普及により、記録の手間は軽減されたものの、情報の一元管理ができている病院は少数。

なぜなら、診療科ごとの縦割りは根強く、システム間の連携が不十分なためです。

ERPはシステム間をつなぐパイプの役割を果たし、情報の一元管理ができます。

「骨折で入院したが、検査をしたら胃ガンが見つかった」という例で考えてみてください。

入院当初は整形外科ですが、胃ガンは消化器科です。

診療科を移る際は、口頭による申し送りや煩雑な印刷物によるやり取りを必要とします。

ERPによって情報が共有できていれば、よりスムーズな治療が可能です。

理由3.医療と福祉のシームレス化が求められる

近年では高齢化に加え、共働き世帯の増加により、病院から退院した高齢者は福祉施設に入所するケースが増えています。

病院から福祉施設に移る際は、病院の看護師・ソーシャルワーカーが施設の担当職員やケアマネージャーと情報を共有しながら入所手続きをすすめます。

しかし、入所前に行われる事前面談や受け入れ日などの日程調整は煩雑なうえ、申し送り内容が不足するケースも。

ERPにより、医療現場と福祉現場がつながれば、基本的な情報はそれぞれが好きなときに確認できます。

日程調整の連絡をやりとりするシーンが少なくなり、調整のための手間を大幅にカット可能です。

ペーパーレス化が進めばコスト削減にもなり、煩雑を極める書類整理も必要なくなります。

ERPによって医療・福祉のシームレス化が可能です。

医療用ERPの市場は拡大傾向に、3つの最新事情

医療用ERP市場は、2020年の時点で62億米ドルに達し、今後はさらなる拡大が予測されます。

しかし、医療用ERPの何に対して期待が寄せられているのでしょうか。

医療用ERPが市場を拡大させている最新事情を紹介します。

事情1.医療用ERPによる高品質な機器・ケアに期待

医療用ERPは医療費の抑制や非効率的な病院サービス管理の改善に期待がかかっています。

医療機器メーカーの効率化が可能にするのは、医療機器の低価格化。

病院は医療機器にかかるコストを抑えられ、結果的に医療費の削減につながります。

さらに、病院のサービス管理が効率化されると、管理にかかっていた時間を患者へのケアにあてられます。

したがって、より高品質なケア・サービスの提供が可能です。

ERPが可能にする業務の効率化に期待がかかっています。

事情2.ERPによって医療分野の業務プロセス最適化が可能

ERPは製造現場におけるMRP(資材所要計算)の概念をもとにした基幹システムです。

MRPとは、資材を「必要なときに・必要なものを・必要なだけ」購買したり製造したりする管理方法のこと。

ERPはMRPの手法を企業全体にあてはめ、ヒト・モノ・カネの流れを可視化、業務プロセスの最適化を実現します。

ERPのMRPに基づいた概念は、医療機器メーカーの製造現場でも効果を発揮すると期待されています。

企業全体の可視化による素早い経営判断や製造現場でのムリ・ムダ・ムラの排除、部署間の連携による業務プロセス最適化が可能です。

事情3.ERPの柔軟性は医療分野に貢献できる

近年ではクラウドを利用したERPが主流になりつつあります。

クラウドを利用したERPは、社内にサーバーを設置する必要がなく、低コストで導入できます。

さらに、扱う情報量に合わせられる柔軟性の高さもメリットです。

医療機器メーカーや病院、福祉施設など、それぞれの規模に合わせた機動性の良さが高評価につながっています。

医療分野は、新たな感染症が発見されれば、求められるケアや機器がすぐに変化します。

ERPは変化に富んだ医療業界のニーズを柔軟に受け止められる基幹システムです。

医療・医療機器向けERPの事例3選

医療分野において、ERPはどのように開発され、導入されているのでしょうか。

医療分野向けのERPや導入事例を紹介します。

医療分野にERPを導入するとどうなるのか、イメージしながらご覧ください。

事例1.医療機器製造販売のERP導入事例

医療機器製造販売業がERPを導入した事例です。

輸入・入荷・検品・製造・試験・棚入・出荷・販売・修理と、企業全体のトータルサポートが目的です。

販売・賃貸、製造、修理と3つに分けて連携させる基幹システムを開発しています。

医療機器メーカーにとって重要な薬事情報のチェック機能をはじめ、販売部門と製造部門の作業を効率化できる機能を搭載。

法に準拠しながら業務効率化できるERPです。

事例の出典情報

企業名:大塚商会

出典URL:https://www.otsuka-shokai.co.jp/erpnavi/smile/jouhomaru/development-system/medical-devices/

事例2.医療機器専門商社がERPを導入した事例

商社が抱える課題や主な業務要件は以下の通りです。

  • 商品のシリアル番号管理
  • 商品のトレーサビリティ
  • 最終ユーザーの管理
  • サンプル品の無償提供
  • 輸入機器の販売

万が一の事態に備えるべきという観点から、FDAはトレーサビリティを企業に求めています。

そのため、開発・販売した商品の追跡機能を重要視したいという企業が多いのではないでしょうか。

紹介している事例ではシリアル番号管理に加え、販売代理店・納品先・利用者までの管理が可能。

業務効率化を実現しながら、万が一のトラブルに備えたERPです。

事例の出典情報

企業名:GRANDIT

出典URL:https://products.sint.co.jp/grandit/solution/wholesale/medical

事例3.医薬品・医療機器メーカー向けERP

アメリカに本社を構えるQAD社が提供する、医療分野向けERPの主な特徴は以下の2つです。

  • クラウドベースのFDA認定環境
  • ローコード/ノーコードによる低コストでのカスタマイズ

クラウドを介したFDA認定環境により、より効率的な業務進行が可能です。

さらにFDAの21 CFR part11やEU Annex 11の電子署名および電子記録サポート機能もあります。

ローコード/ノーコードとは、専門知識を要するプログラミングの工程を省けるため、近年注目を集めている開発方法です。

医療・製造業だけでなく、IT分野の人材不足が深刻化する中、専門知識のある人材を探し回る必要がありません。

上記のような使い勝手の良さから、QADのERP利用企業は60ヶ国と幅広く存在します。

事例の出典情報

企業名:QAD

出典URL:https://www.qad.com/ja-JP/industries/life-sciences-erp

医療機器製造に適したIFSのERPとは?【3つの魅力】

先に紹介したように、医療機器製造業向けのERPは様々なベンダーからリリースされています。

しかし、紹介した以外には医療機器製造業向けのERPはないのでしょうか。

医療機器製造業向きとして活用できるIFSのERPについて詳しく解説します。

魅力1.IFSのERPはクラウド型、低コストで導入が可能

IFSとは、スイスを本拠地とするシステム開発メーカーです。

クラウドを利用して、低コストで導入可能な製造業特化型のERPを開発しています。

さらにアジャイル開発にも対応しているため、コストや導入期間が制限されがちな中小企業にもぴったり。

チェンシージャパン株式会社は、アジア最大級のIFSパートナーとしてERPを提供しています。

魅力2.IFSのERPは豊富なモジュールで柔軟性抜群

IFSのERPは豊富なモジュールのあるコンポーネント型が特徴です。

コンポーネント型とは、自社に必要な機能を取捨選択し、コストや事業規模に合わせて柔軟に対応できるERPのこと。

ERPの導入は企業の成長促進に役立つ基幹システムです。

しかし、導入の段階で無理をしてキャッシュフローを悪化させては元も子もありません。

その点、IFSのERPは必要最低限の導入からスタートでき、その後の機能追加も思うがままです。

魅力3.IFSは医療機器製造会社にERPを導入した実績も

チェンシージャパン株式会社では、IFSのERPをプレジション・システム・サイエンス株式会社向けに開発・導入した実績があります。

プレジション・システム・サイエンス株式会社は、遺伝子検査・たんぱく質検査などの体外診断・DNA抽出装置などの研究開発・検査の自動化装置を開発するバイオ機器メーカーです。

ERP導入の目的は以下の通り。

  • 経理業務の平準化による業務効率化
  • 社内外監査効率改善
  • 働き方改革の実現

IFSのERPおよびチェンシージャパン株式会社は、プレジション・システム・サイエンス株式会社が抱える課題を解決した確かな実績があります。

医療・医療機器向けのERPの資料請求はチェンシージャパンへ

今回は、医療用ERPが求められる理由と、ニーズが増加している理由についてお伝えしました。

チェンシージャパン株式会社では、医療機器製造メーカーが抱える課題を解決可能なERPを提供しております。

ERP導入事例の詳細は資料ダウンロードからお申込みください。

 

チェンシージャパンは、ERPソリューションIFS Cloudの販売・導入・構築・運用までワンストップで提供中。

ERP専門コンサルタントによる丁寧なヒアリングのもと、最適なご提案をさせていただきます。

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>グローバルERP IFS導入におけるシステムインテグレーター『チェンシージャパン株式会社』

グローバルERP IFS導入におけるシステムインテグレーター『チェンシージャパン株式会社』

チェンシーグループの日本法人として、アジア地域の企業に向けて高品質で革新的なソリューションを提供しています。日本・アメリカ・中国・タイを拠点にIFS経験者を100名以上を抱え、海外拠点へ進出されるお客様プロジェクトの円滑な支援も実現します。

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