製造業で効果的な4つの品質管理施策!課題とおすすめシステムを解説

  • 2022年8月31日
  • 2024年3月21日
  • 製造業

顧客からの信頼獲得のために重要な、製品の品質管理

しかし、「重要性は理解しているものの、どのように品質を管理すれば良いのかわからない」という方も多いでしょう。

本記事では、製造業で効果的な品質管理施策・現場で起こりがちな課題と対応策を解説します。

品質管理でお困りの方は、ぜひ最後までご覧ください。

製造業における品質管理の重要性

製造業で品質管理が求められている理由は、顧客の信頼を獲得するためです。

製造業では、顧客の要件を満たした高質な製品を製造し、決められた納期を守ることが大切です。

しかし、仮に品質管理が不十分な場合、不良品の混入や製造遅延による納期の遅れなどが生じることも。

そうなれば、顧客からの信頼を失い、企業の存続が危ぶまれます

品質管理とは、顧客からの信頼を獲得し、製造業企業が成長していくためにも欠かせない業務です。

食品製造業や化学製造業、機械製造業などでは、製品の品質が顧客の命や健康に関わるケースもあります。

また、下記のケースでは企業の信頼性が失墜するだけでなく、損害賠償に発展するケースも。

  • 購入したレトルト食品に機械部品が混入していた
  • 化粧水を使ったら肌に異常が出た
  • 使用中の家電がいきなり発火した

自社の製品を安心して使用してもらうためにも、品質管理は重要な業務です。

製造業の3つの品質管理要素

製造業の品質管理は、対象項目が無数に存在します。

対象項目を大きく分類すると、以下の3つに分けられます。

  • 工程管理
  • 品質検証
  • 品質改善

ここでは上記3つの管理要素を解説します。

要素1.工程管理

工程管理とは、製造プロセスの作業進捗を管理し、効率や成果物の質を最適な状態で維持することです。

納期から逆算して製造作業をスケジューリングし、業務の標準化を目指します。

たとえば、以下の取り組みも工程管理に分類されます。

  • 不良率を最も低減できる作業手順を標準化する
  • 一定の成果を出せるよう従業員のトレーニングを実施する
  • 生産能力を維持するため、設備の保守・点検を行う

また、工程管理は、製品の品質を維持するだけでなく、従業員のパフォーマンスの質を維持する側面もあります。

従業員のパフォーマンスを最適化・維持できれば、ミスや見落としを防止でき、結果的に製品の品質維持にもつながるためです。

要素2.品質検証

品質検証とは、製造した製品の品質に問題がないかを検証し、顧客に対しその旨を保証することです。

品質の検証方法にはさまざまな方法がありますが、大きく以下の2つに分類されます。

  • 破壊検査
  • 非破壊検査

破壊検査は製品の強度や耐久性を調べるための検証です。

一方の非破壊検査は、サンプル品を破壊せずとも調べられる検証のこと。

また、製造プロセスに品質低下の要因がないかを検証する「工程能力の監視」も品質検証に含まれます。

工程能力の監視には、原材料を調達した際に行う「受入検査」や、製造工程の未完成品を検査する「工程内検査」、完成品が規定を満たしているかを検証する「完成品検査」などがあります。

いずれも定量的に品質を検証するため、CpやCpkと呼ばれる工程能力指数を用いるケースが一般的です。

要素3.品質改善

品質改善とは、不良品の発生原因や品質低下の要因を改善することです。

また、広義では不良品を発生させないよう、未然に講じる対策も品質改善に含まれます。

製造業の品質改善は、すべて事実に基づいておこなわなければなりません。

そのため、改善時は「なぜ不良が発生したのか?」を裏付けるデータを収集し、分析・対策の立案という流れを取ります。

この一連の改善プロセスをQCストーリーと呼びます。

また、不良発生を未然に防止する手法としては、工程FMEAが効果的です。

工程FMEAはFailure Mode and Effect Analysisの略で、故障モード影響解析とも呼びます。

製造プロセスを細かな動作レベルにまで細分化し、想定されるトラブルを洗い出して対策を講じるというもの。

ただ、工程FMEAの実行には多くの時間・労力を要するため、生産管理システムや品質管理システムなどを活用すると良いでしょう。

製造業の品質管理に効果的な4つの施策

製造業が品質管理へ取り組むには、どのような施策を講じれば良いのでしょうか。

製造業の品質管理に効果的な施策は、以下の4つが挙げられます。

  • 製造プロセスへの5S導入
  • 4Mの観点で品質を管理
  • 手順書を整備し業務標準化を実現
  • DX推進による品質管理の効率化

自社製品の品質を改善するためにも、ぜひ参考にしてください。

施策1.製造プロセスへ5Sを導入

1つ目の施策は、製造プロセスへ5Sを導入することです。

5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の、Sから始まる5つの用語を表します。

製造現場でたとえると、以下のとおりです。

  • 整理:不要な工具を片付ける・捨てる
  • 整頓:使いやすいよう工具をきれいに並べる
  • 清掃:自分が使った場所を掃除し、備品の点検も行う
  • 清潔:綺麗な状態を維持する
  • しつけ:使用した工具は所定の位置に戻す

5Sは、一般的に品質管理の工程管理に用いられる手法です。

職場環境の整備により、ヒューマンエラーの低減が期待できます。

結果的に、ミスによって生じる不良品を削減でき、製品の品質を高められるでしょう。

また必要な工具を探したり、製品に汚れが付着したりなどの、ムダを排除できるため、現場の生産性を高められます。

施策2.4Mの観点で品質管理

2つ目の施策は、4Mの観点で品質を管理することです。

4Mとは、「人(Man)」「設備(Machine)」「方法(Method)」「材料(Material)」の4要素からなる用語です。

製造業の生産ラインに欠かせない4Mの観点から品質管理に取り組むことで、不良原因を特定しやすくなるのです。

製造業で起こりがちな不良原因を、4Mに当てはめると、以下のとおり。

  • 人:生産ノウハウの不足・ヒューマンエラー・作業員の配置ミス
  • 設備:動作不良・製造機器の部品損傷
  • 方法:マニュアルが整備されていない・勘頼りの作業
  • 材料:原材料が規格を満たしていない・不良品の購入・検品不足

品質管理では、不良原因が複数の要素にまたがっているケースも見受けられます。

ただ、4Mの観点から原因を分析すれば、漏らすことなく問題の所在を把握でき、適切な改善行動を取れるでしょう。

施策3.手順書を整備し業務・品質の標準化を実現

3つ目の施策は、手順書を整備して業務・品質の標準化を実現することです。

担当する作業者ごとに業務の手順が異なると、製品の品質も不安定となり、不良率が高まります。

また、業務の引き継ぎが難しく、一部の作業員に属人化する恐れもあります。

こうした課題を改善するには、手順書を整備して業務・品質を標準化することが効果的です。

ベテラン作業員のノウハウや知見を落とし込み、新たな作業手順を整備できれば、品質の安定化が期待できます。

施策4.DX推進による品質管理の効率化

4つ目はDX(デジタルトランスフォーメーション)推進による品質管理の効率化です。

DXとは、デジタル技術・システムで自社の業務・製品を変革し、市場競争での優位性を確立すること。

品質管理は製造業にとって重要度の高い業務ですが、市場価値の創造には直結しないため、リソースを投入しづらい傾向があります。

そこで注目されているのが、デジタル技術やシステムを活用した品質管理です。

先行企業では、AIセンサーで不良品を検知し製造ラインから取り除いたり、品質データを生産管理システムに集積し分析・改善行動の参考にしたりと、独自のDXがすすめられています。

もちろん、DX推進にはコスト・時間がかかりますが、中長期的に見ると人件費の削減や属人化の回避など多くの効果が期待できます。

製造業の品質管理における3つの課題と対応策

製造業の品質管理では、主に以下3つの課題が問題視されています。

  • 品質データが多く管理が追いつかない
  • 実施した品質管理施策が現場に定着しない
  • 品質改善の効果を検証できていない

本章では、上記3つの課題とそれぞれの対応策を解説します。

課題1.データが多く管理が追いつかない

1つ目の課題は、データが多く、管理が追いつかないことです。

前述のとおり、製造業の品質管理は対象範囲が広く、製品数が多い場合は多くのデータを処理しなければなりません。

エクセルや紙媒体での管理では、管理工数が多く、すべての製品を管理しきれないでしょう。

そこで、管理工数を削減できる生産管理システムの導入がおすすめです。

生産管理システムは、不良分析機能やトレーサビリティ、在庫の期限管理などの品質管理機能を搭載しています。

また、管理データを一元管理できるため、担当者間で情報をスムーズに共有でき、管理工数の削減が期待できます。

課題2.実施した品質管理施策が現場に定着しない

2つ目の課題は、品質管理施策が現場に定着しないことです。

せっかく品質向上の施策を設定しても、現場で遂行されないのであれば改善効果は得られません。

そればかりか、不良原因の分析・改善行動の検討に費やした時間・労力が無駄になります。

改善施策を定着させるには、入念な準備と現場とのコミュニケーションが重要です。

闇雲に施策を打ち出すのではなく、現場のリソースを調査したり、品質改善施策の内容・重要性を共有したりして、一丸となって推進することが大切です。

課題3.品質改善の効果を検証できていない

3つ目の課題は、品質改善の効果を正確に検証できていないことです。

製品の品質は、複数の要素が絡み合って成り立っているため、検証時は各要素の関係性を考慮しなければなりません。

しかし実際には、各要素の関係性を把握できておらず、正確な検証結果が得られていないケースが見られます。

対策としては、マインドマップや工程表を用いて、生産工程を見える化するのが効果的。

関係性を視覚的に把握できれば、見落としも減るため、施策の効果を検証しやすいです。

また、新たに問題が生じた場合も、原因を見つけやすいため、迅速に対処できるでしょう。

製造業の品質管理には「IFS Cloud」がおすすめ

製造業の品質管理では、原材料の仕入れ〜完成品の出荷までを一元的に管理することが大切です。

そこでおすすめなのが、製造業に特化したERP「IFS Cloud」。

IFS Cloudは、製造業特有の複雑な生産方式にも対応したERPシステム(基幹業務統合管理システム)です。

受注設計生産(ETO)・個別受注生産(CTO)・受注生産(MTO)・見込生産(MTS)はもちろん、ハイブリッド生産や特注品生産など、製造業企業の複雑な生産方式にも対応しています。

また、導入時のコスト負担が少ないクラウド型システムのため、中小企業〜中堅企業でも導入しやすいでしょう。

品質管理でお悩みの製造業の方へ

本記事では、製造業で効果的な品質管理施策と現場で起こりがちな課題を紹介しました。

品質管理は、顧客から信頼を得るために欠かせない業務です。

しかし、対象となる要素が多岐にわたるため、システムを活用した管理工数の削減がおすすめです。

当メディアを運営するチェンシージャパンでは、製造業の業務をサポートする「IFS Cloud」の導入支援をしております。

日本国内はもちろん、海外拠点管理で発生しているトラブル対策を練った上での導入サポートも可能です。

品質管理でお悩みの方は、ぜひ以下より製品資料や導入事例をご覧ください。

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