P2P(Procure to Pay:調達から支払いまで)とは?プロセス解説

  • 2023年9月22日
  • 2024年2月22日
  • 製造業

P2P(Procure to Pay)とは、原材料や部品調達・支払いまでの一連の業務プロセスのこと。

一連のP2Pプロセスは、業務効率化・コスト削減・品質管理・サプライヤー管理などの観点から非常に重要です。

本記事では、製造業においてP2Pがなぜ重要なのか、プロセスの概要とあわせて解説します。

P2P(Procure to Pay:調達から支払いまで)のプロセスとは?

製造業のP2Pは、ニーズ検討・商品選択に始まり、調達手順へと移行します。

P2Pプロセスは、以下5段階あります。

  1. 調達(Procurement)
  2. 発注(Ordering)
  3. 受注(Receiving)
  4. 請求(Invoicing)
  5. 支払い(Payment)

製造業視点で各プロセスの内容をまとめましたので、みていきましょう。

P2Pプロセス1.調達(Procurement)

P2Pプロセスの1つ目は、調達(Procurement)です。

調達では、必要な原材料・部品・機械装置・サービス・外部サプライヤーなどを特定します。

まずは何が必要か・なぜ必要かを考え、サプライヤーはどこが良いのかを検討。

調達担当者は、需要予測を実施し、品質基準・価格・納期・信頼性などを考慮しサプライヤーを選定します。

P2Pプロセス2.発注(Ordering)

P2Pプロセスの2つ目は、発注(Ordering)です。

発注では、選定したサプライヤーに対し、具体的な発注をします。

発注には、数量・品質仕様・価格交渉・納期などの詳細が含まれます。

発注をするために、まず購買要求の申請をします。

購買要求とは、発注書を要求するための文書のこと。

社内向けに購買要求を申請し、経理の承認が必要です。

購買要求申請が承認されると、外部への発注書を送ることができます。

なお、発注は、電子的な発注書・注文システムを通じてすることが一般的です。

P2Pプロセス3.受注(Receiving)

P2Pプロセスの3つ目は、受注(Receiving)です。

受注プロセスには、数量・品質などの検査、不良品の早期検出が含まれます。

製造業では、受領した原材料・部品が品質基準を満たし、発注通りの数量であることの確認が非常に重要です。

注文どおりに受領されたことの証明として、商品受領書があります。

P2Pプロセス4.請求(Invoicing)

P2Pプロセスの4つ目は、請求(Invoicing)です。

サプライヤーは、提供した商品・サービスの請求書を発行。

請求書には、料金・支払い条件・支払先の詳細などが含まれます。

請求書との照合方法として、請求書・発注書を照合する双方向照合や、発注書・請求書・納品書を比較する三方向照合などがあります。

取引先との契約内容によっては、請求書との照合のステップを省略し、受注での検査を通過した時点で買掛金に計上するケースもあります。

P2Pプロセス5.支払い(Payment)

P2Pプロセスの5つ目は、支払い(Payment)です。

請求書に基づいて、サプライヤーに支払いします。

支払い方法は、銀行振込・小切手・電子決済などが一般的です。

支払いのタイミングは、サプライヤーとの契約・支払い条件に従い実施します。

P2Pプロセス効率化により得られるメリット

P2Pプロセスを効率化し、調達・会計・組織でのワークフローを統合することで生まれるメリットはたくさんあります。

原材料などのコスト管理、生産計画改善、在庫の最適化、サプライチェーンの透明性向上は、企業としての競争力強化につながります。

また、正しい請求書を発行・期日通りの支払いを保証することは、サプライヤーとの良好な関係構築になります。

自動化・デジタル化により、P2Pプロセスが効率化され、コスト削減・生産性向上へとつながります。

【事例】よくあるミスから実感する、P2Pプロセス効率化が必要な理由

発注書の発行時によくあるのが、見積金額・配送要件などの確認ミス。

この確認ミスが、見積書と異なる発注書作成の原因になってしまい、トラブルへと発展します。

しかし、自動化・デジタル化によりP2Pプロセスを効率化すれば、金額・配送要件などを見積書と照合した上で、発注書作成・確認のステップまで完了します。

このようにP2Pプロセス効率化は、トラブルを未然に防ぐだけでなく、属人的な発注書作成などの経理作業の自動化になります。

古いシステムで動作するP2Pモジュールが及ぼす問題

多くの企業や組織の購買・調達部門は、ERPシステムに付随するP2Pモジュールや、別途追加したP2Pモジュールを活用しています。

しかし、現状のP2Pモジュールを活用し続けることが、購買業務にメリットがあるのか・デメリットがないのか見極めることが重要です。

よくある声として、使用中のP2Pモジュールについて、ERPへデータ統合する点では便利であるものの、ほかのメリットが感じられないとの意見。

なかでも問題なのは、古いERPシステムで動作するP2Pモジュールです。

こうしたモジュールはクラウドに適した形式ではないことが多く、市場変化についていけず、最終的に企業へ悪影響を及ぼす可能性があります。

生産性向上・業務効率化をいち早く達成するためには、自社にあったシステム導入を検討することが必要となってくるでしょう。

P2Pのデジタル化・効率化を検討中の製造業の方へ

P2Pについて、各プロセスの概要と重要性を紹介しました。

P2Pをデジタル化・自動化することは、調達管理の改善だけでなく、購買・承認・コンプライアンス・支払い・サプライヤーのグローバルな管理にも役立ちます。

P2Pのデジタル化・効率化に最適なソリューションとして、ERP「IFS Cloud」があります。

IFS Cloudの魅力は、さまざまな生産形態に標準機能で対応していることと、工場ごとに異なる製品であっても全社統合が可能なところにあります。

多言語・多通貨にも対応しているため、海外展開する企業でも安心です。

日本の製造業にとって、低コストで高機能を叶えるハイブリットなERP、IFS Cloud。

IFS Cloudを導入し、売上・生産性ともに向上した事例を下記にまとめましたので、ぜひ一度ご覧ください。

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