Infor社のERP「SyteLine」とは?導入効果・価格・評判を網羅的に解説

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製造業に特化し、ガートナー社からリーダーに認定された「Infor SyteLine」。どのようなERP製品で、導入により何を実現できるのでしょうか。

本記事では、Infor SyteLineの搭載機能、特長・価格・他製品との違いを網羅的に解説します。

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Infor社のERP「SyteLine」とは?

Infor SyteLineとは、Infor社が提供する製造業特化型のERPシステム。人事・会計などのバックオフィス業務をはじめ、販売・生産・物流に至るまで、製造業で必要とされる業務全域をカバーし、効率化・自動化を実現します。

また、世界有数のリサーチ企業であるガートナー社から、Oracle、Microsoftと並ぶリーダーに認定されるなど、高い評価を得ています。この章では、Infor SyteLineの基本概要と搭載機能・価格帯について詳しく解説します。

Infor SyteLineは中規模組立製造業向けのERP

Infor SyteLineは製造業の中でも、中堅の組立製造業向けに開発されたERPシステムです。高度な計画機能から、製品設計・資材在庫管理・製造管理・品質管理に至るまで、製造業が必要とする機能を網羅的に搭載。

見込生産・受注組立生産・受注生産・個別受注生産など、混同型の生産形態にも対応しています。Infor SyteLineには、30年以上にわたり製造業をサポートしてきた経験が組み込まれているため、組立型製造業特有の様々な課題を解決できるでしょう。

また、世界5,500社以上での導入実績を誇り、多言語・多通貨・各国の法体制にも対応しています。海外の工場でも導入でき、国内にある本社との連携強化も可能です。

Infor SyteLineの主要な搭載機能とは?

Infor SyteLineの主要な搭載機能を、以下表にまとめました。

グローバル対応機能 多通貨・多言語(20言語以上)・各国の法体制・商習慣
ハイブリッドな生産形態
  •  見込生産
  •  受注組立生産
  •  受注生産
  •  個別受注生産
  •  繰返し生産
部品表と工程表の統合

統合部品表管理と、APS連携したジャストインタイムの資材供給

工程単位の資材・在庫管理、原価計算

MRPエンジンとAPSエンジン 山積み・山崩しの自動化
その他分析機能
  • 売掛金分析
  • 元帳分析
  • 経営パフォーマンス分析
  • 売上分析
  • 在庫分析
  • 作業能率分析
  • 資材スクラップ分析
  • 製品売上貢献度分析
  • 製品納品率分析
  • 購買納期遵守分析

Infor SyteLineの価格とは?

Infor SyteLineのソフトウェアライセンス価格は、3,760,000円〜。(参照:世界中どこでも使える、組立型製造業に強い、進化し続けるERP|nouvelle)この価格には、5名分のユーザーライセンスが含まれており、6名以上の場合には追加料金が発生します。

また、オプションモジュールのうち、レポートソースコードと日本カントリーパック(特定国専用の業務要件)が含まれており、その他のオプションモジュールは別途費用が生じます。この他、導入費用や開発費用なども発生するため、価格詳細はinforに問い合わせるとよいでしょう。

Infor SyteLineの5つの特長

Infor SyteLineには、下記5つの特長があります。

  • 企業のグローバル化に対応
  • 迅速かつ的確な意思決定の実現
  • 混合型生産にも柔軟に対応し業務をサポート
  • 天災・障害などの影響を最小限に抑えシームレスに稼働
  • クラウド型でありながら高い拡張性を誇る

それぞれの特長について、詳しく見ていきましょう。

特長1.企業のグローバル化に対応

Infor SyteLineには日本語・英語を始め、中国語・フランス語・スペイン語など、のべ20以上の言語機能が搭載されています。複数言語をユーザーID単位で割り振り運用できるため、グローバル化に伴う現地従業員との連携も容易です。

また、多通貨機能は、あらかじめ取引通貨・換算レートを設定することで、請求書・決算書などの会計業務へ自動的に反映。異なった通貨間の取引でも、1つのシステムで管理が可能です。

世界100カ国にinfor直営サポート拠点、150社以上のパートナー企業点在しており、365日24時間サポートしてくれます。グローバルなサポート体制も整っているため、万が一システムに不具合が生じた場合でも安心です。

特長2.迅速かつ的確な意思決定の実現

製造業に特化したInfor SyteLineのBIとBAは、従来のBIソリューションよりも短時間で複雑なプロセスを解析・最適化します。Infor社におけるネットワークBIサービスの自動化・機械学習技術は、特許を取得するほど。

Infor SyteLineは社内データを迅速かつ正確に分析し、意思決定の効率化や社内データを活用した的確な将来予測を実現します。

特長3.混合型生産へも柔軟に対応し業務をサポート

Infor SyteLineは、繰り返し生産から見込生産・受注組立・受注生産・個別受注生産に至るまで、様々な生産形態に対応。複雑な製品コンフィギュレーションにも対応し、生産活動の円滑化・効率化を実現します。

また、アフターマーケットのサービス契約、保全、保証管理、返品保証にまで対応しており、調達・製造・販売・消費などのサプライチェーン全域の最適化が可能です。

特長4.天災・障害などの影響を最小限に抑えシームレスに稼働

Infor SyteLineのみならず、Infor社のクラウド製品は基盤にAWSを採用しています。研究開発に年間数十億ドル規模を投じられるAWSは、世界中に20以上のAWSリージョンと61のアベイラビリティゾーンが存在。

Infor SyteLineは、この複数のアベイラビリティゾーンでシームレスに動作するように設計されているため、天災・障害によるリスクを最小限に抑えられます。

特長5.クラウド型でありながら高い拡張性を誇る

クラウド型ERPは導入費用・期間に定評がある一方で、拡張性・カスタマイズ性の低さが懸念されがちです。しかし、Infor SyteLineには、専用のカスタマイズツールが搭載されており、ノンプログラミングでのカスタマイズが可能

カスタマイズした機能はシステムのバージョンアップ後にも引き継がれるため、システム開発の負担を軽減できます。また、Infor SyteLineの標準搭載機能とは別に、機能を追加・強化するオプションサービスも用意されています。

追加オプションはサブスクリプション制にて利用できるため、ムダのない機能拡充が可能です。

SyteLine以外のInfor社製ERP製品

Infor社は、Infor SyteLine以外にも下記2つのERP製品を提供しています。

  • Infor LN
  • Infor M3

この章では、上記2製品の特徴とInfor SyteLineとの違いを解説します。

製品1.「Infor LN」:大規模組立製造業向けERP

Infor LNは、Infor SyteLineと同様に組立製造業向けのERP製品。ただし、Infor SyteLineの対象企業よりも規模の大きな、大企業向けのシステムです。

引合から見積もり・契約・生産・出荷・納品後のアフターケアに至るまで、サプライチェーンを詳細に可視化し、効率化を実現します。また、Infor LNは下記の業界別ソリューションをクラウドで利用するための、コアERPとして位置付けられています。

  • CloudSuite Aerospace & Defense:航空宇宙・防衛業界向け
  • CloudSuite Automotive:自動車業界のティア1サプライヤ向け
  • CloudSuite Industrial Enterprise:産業用機械などの重機製造向け

他業種のセガ エンタテインメントは、会計管理を中心とした基幹業務システムとしてInfor LNを導入し、店長業務の2割程度削減に成功。業務フローのデジタル化・ペーパーレスを実現しています。(参照:Infor LN|infor

製品2.「Infor M3」:プロセス製造業向けERP

Infor M3は化学工業や食品・飲料製造などの流体を原料とする、プロセス製造業向けのERP製品。オペレーション・テクノロジー・スケールの3拍子そろった柔軟性や、他製品・他社製品を統合し、ワークフローを連携させる適合率の高さが特徴です。

Infor LNはInfor LNと同様、業界別ソリューションを利用するためのコアERPとして位置付けられています。

  • CloudSuite Food & Beverage
  • CloudSuite Chemicals
  • CloudSuite Distribution Enterprise

Infor M3はInfor LNやInfor SyteLineと違い、プロセス製造業の最適化を図るERPシステム。プロセス製造業では、配合・レシピの複雑化や、内部取引増加に伴う情報錯誤などの課題が多く見られます。

しかし、Infor M3は社内データを自動で整理・分析してくれるため、プロセス製造業が抱える多くの課題を解決できるでしょう。

Infor SyteLineの導入事例と評判

Infor SyteLineの導入企業では、どのような効果を実感できたのでしょうか。

  • Liberty Steel UK社
  • 株式会社フジキン

上記の導入事例をもとにInfor SyteLineの導入効果と評判を解説します。

事例1.Liberty Steel UK社

引用:Liberty Steel UK社は、Infor CloudSuite Industrial EnterpriseでDXを前進|infor

Liberty Steel UK社は溶鋼の製造から精密製品の加工を手掛ける総合製鉄・販売企業。2017年のM&Aにより、迅速な統合作業・生産性の維持が求められ、ERPシステムの調査を開始します。

求めたERPシステムの条件は、次の3つ。

  • 運用・保守が容易
  • 短期間での導入
  • 製鉄業特有のプロセスやベストプラクティスを搭載

Infor SyteLineの導入は900人のユーザーを対象におこなわれ、13ヶ月で本稼働に至ったとのこと。クラウド型ERPならではの短期的な導入といえます。

また、財務管理、調達管理、工場保全、人事管理などの業務をInforへ適合させることで、オペレーションの効率化を果たしました。Infor SyteLineには、ベストプラクティスが搭載されているため、業務をシステムへ適合させることで、成功企業の業務を再現できるのです。

事例2.株式会社フジキン

引用:フジキン、ビジネス拡大を見据えインフォアの製造業向けクラウドERPを採用|infor

株式会社フジキンは自動車用トランスミッション、ステアリングなどの駆動系部品・機能部品を手掛ける金属加工会社。株式会社フジキンは月に800万個の自動車部品を製造しますが、生産体制を支える管理システムを手組みで構築していました。

しかし、事業拡大に伴い、システムの抱える課題が顕在化。代わりとなる生産管理システムの導入が、求められました。

ERP選定時のポイントは、下記の2つ。

  • 既存業務に対応する機能をあらかじめ搭載
  • 運用負荷の少ないクラウド型での提供

Infor SyteLineはトヨタ式生産方式をはじめ、様々な生産計画機能を標準搭載しており、株式会社フジキンの既存業務の85%に対応したとのこと。また、特定の従業員に依存するシステムの俗人化を回避しつつ、標準化できています。

Infor SyteLineによる運用負荷の軽減は、月の作業工数を170時間削減するほど。Infor SyteLineはクラウド型での提供のため、運用工数のみならず運用コストも抑えられます。

製造業特化型ERPをご検討中の方へ

Infor SyteLineは、中堅の組立製造業に特化したERPシステムです。必要機能が標準搭載されているため、製造業が抱える様々な課題の解決が見込めます。

また、製造業に特化したERP製品をお探しの方は「IFS application」もあわせて検討するとよいでしょう。IFS applicationは、製造業向けERPで機能評価世界1位を獲得する製品です。

あらゆるデバイスですべての機能を利用できるなど、利用環境の柔軟性も魅力。業務プロセスとのマッチ率が高く、最小限のカスタマイズで、業務最適化を実現します。

なお、当メディアを運営するチェンシージャパン株式会社は、製造業向けERP「IFS Cloud」を提供しております。ERPに関するご相談や無料セミナーも開催していますので、ERPの導入に向けて情報を集めたい方・疑問や不安を抱えている方はぜひお気軽にお問い合わせください。

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