ERPとSCMの違いは管理可能な範囲!導入すべきはどちらかも検証

  • 2022年4月15日
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ERPとSCMは管理できる範囲こそ違えど、いずれも製造業の業務効率化を推進できるデジタルツールです。

しかし、ERPとSCMの明確な違いを問われると、返答に困るのではないでしょうか。

今回は、ERPとSCMの具体的な違いをはじめ、どちらを導入すべきかを検証します。

ERPとSCMの違いとは?

ERPとSCMの具体的な違いを解説します。

アルファベットで表記され文字数も同じ2つのシステムですが、管理できる範囲は全く違います。

まずは基礎知識をおさえ、自社にとってどちらが必要なのかを考えてみてください。

ERPは企業全体を管理するシステム

ERPは企業全体のヒト・モノ・カネを管理するためのシステムです。

各部署のシステムをつなぎあわせるパイプのような役割を果たしつつ、情報の管理を効率化。

素早い経営判断や、部署ごとに異なっていた帳簿への煩雑な記入を減らせます。

企業の経営状況を可視化でき、適正に活用できれば他社との競争力を強化可能です。

さらには経済産業省が発表した「DX推進レポート」に記載されている「2025年の崖」への対策としても効果を期待できます。

SCMはサプライチェーンを管理するシステム

SCMには広義と狭義、それぞれの意味を持ちます。

広義では、サプライチェーン全体の最適化による利益最大化を目指すという概念を。

狭義では、企業内のサプライチェーンを最適化して生産性を高めるための管理手法を意味します。

実際にSCMを取り入れた管理手法として、トヨタ自動車株式会社が開発した「かんばん方式」が有名です。

 かんばん方式とは、各部品にかんばんを取り付け、部品を使用するたびにかんばんが外され供給元が回収する方式。供給元は「何を・いつ・どこに・どれくらい」供給するかがわかりやすく、少ない在庫で生産プロセスを効率化できるのがメリット。

ERPはSCMの役割も果たせる

SCMはサプライチェーンのみの管理が可能なのに対し、ERPは企業全体の管理が可能です。

つまり、ERPはSCMが担う範囲もカバーできるということ。

製造業では、部署ごとに違ったシステムを採用しているケースが多くみられます。

同時に、各システムの連携がとれない点や、システムの老朽化やレガシー化を問題視する声も聞かれます。

SCMを新規に導入した場合と、ERPの導入に踏み切った場合では、どちらが企業にとって有効かは目に見えて明らかではないでしょうか。

続いてSCMとERP、それぞれの導入するメリットを見てみましょう。

SCM導入による3つのメリット

SCMは企業のキャッシュフローの悪化対策に大きな効果を期待できます。

調達・生産・物流・販売のプロセス全体を可視化できるためです。

SCM導入によるメリットの詳細を解説します。

SCM導入のメリットの一覧を見る

業務プロセスの最適化

人的リソースを有効活用

情報の速やかな分析

SCM導入のメリット1.業務プロセスの最適化

サプライチェーンの業務プロセス可視化が可能にするのは、プロセスそのものの最適化です。

原材料・製品の在庫状況・販売状況のリアルタイム把握は、より正確な需要予測や販売予測を可能にします。

特に大きな効果が期待できるのは適正在庫の確保です。

企業のキャッシュフローを左右する適正在庫を課題としている企業は多くあります。

しかし、需要と販売の正確な予測が可能であれば在庫の管理が効率的です。

在庫の最適化がすすめば納品リードタイムの短縮にもつながり、市場競争力および顧客満足度のアップに期待できます。

SCM導入のメリット2.人的リソースを有効活用

製造業は、中小企業だけでなく、大企業でも慢性的な人手不足に悩まされ続けています。

少子高齢化が人材不足に追い打ちをかける中、企業には適材適所の配置が求められます。

SCMと人材の適切な配置は、一見すると無関係のようです。

しかし、SCMはサプライチェーンの可視化が可能なため、人材の適切な配置にも貢献します。

これまではスタッフ間のウワサ程度でしか入手できなかった人材の評価を、SCMによって明確化可能です。

SCM導入のメリット3.情報の速やかな分析

製造業にとって、企業と仕入れ先・小売店間の配送タイミングはコスト削減に影響する1つのポイントです。

例えば、小売店と仕入れ先に向かわせるトラック。

小売店に納品してから仕入れ先で部品を受け取るのが効率的かつ低コストで済みます。

しかし、例のようにトラックを動かすためには、サプライチェーン全体の可視化ができていなければ困難でしょう。

SCMを導入し、サプライチェーンの可視化は配送タイミングをはかるための情報分析に役立ちます。

ERP導入による3つのメリット

SCMよりも広い範囲をカバー可能なERPの導入は、どのような恩恵を企業にもたらすのでしょうか。

ERP導入によるメリットを紹介します。

SCMとERPのどちらを導入するか、ご検討の際にお役立てください。

ERP導入によるメリットの一覧を見る

企業全体の情報を一元管理

経営状態の可視化

情報活用による企業力アップ

ERP導入のメリット1.企業全体の情報を一元管理

ERP導入による最大のメリットは、企業全体の情報を一元管理できること。

これまでは部署ごとの情報を、各部署に適したシステムを使って管理するのが一般的でした。

しかし、部署ごとにシステムが存在した場合、決算をはじめとする決算処理の際にすりあわせや修正作業が必要な点がネックです。

ERPは部署ごとのシステムを連携でき、より素早い決算処理を可能にします。

情報の一元管理がもたらす恩恵は決算だけではありません。

部署間での情報共有がスムーズになり、煩雑だった日程調整にかける時間を短縮可能。

ERPは企業全体の業務効率化に大きく貢献できるシステムです。

ERP導入のメリット2.経営状態の可視化

ERPはシステム上に経営情報が集約され、経営分析機能を活用できます。

つまりERPの導入は、経営側にとって現状を活かした素早い経営判断の材料になるということ。

資産情報・売上・人材活用状況など、経営判断の材料は様々です。

これまでは各部署に連絡をとり、それぞれが持つ情報を集める必要がありました。

そのため情報にはタイムラグが生じるケースも多かったのではないでしょうか。

ERPは常にリアルタイムの情報を入手可能であり、素早い経営判断の大きな味方です。

ERP導入のメリット3.情報活用による企業力アップ

自社が抱えるデータを、的確に活用できている企業は少ないのではないでしょうか。

統合されていないデータベースを前に、すり合わせと加工を繰り返し、終わりのない作業で疲労は限界に。

ERPは情報の一元管理と同時に、分断されていたデータを統合します。

これまで活かしきれなかった情報がリアルタイムで更新され続け、データを集める・加工するといった手間も不要です。

ERPは作業時間の削減と情報活用の促進、両方を同時に実現します。

ERPとSCM、中小企業はどちらを導入すべきなのか

慢性的な人材不足、迫られる効率化に必要なコスト。

中小企業は様々な視点から導入するシステムについて検討しなければなりません。

中小企業はERPとSCMのどちらを導入すべきかを検証します。

「中小企業に必要なのはERPかSCMか」の一覧を見る

ERPとSCM、コスト・導入期間が必要なのはどちらも同じ

グローバルに活躍するERPと部分的IT化のSCM

【結論】今後はSCMよりもERPの導入が有利

ERPとSCM、コスト・導入期間が必要なのはどちらも同じ

SCMは部分的ですが、ERPは企業全体に関わるシステムです。

導入期間がどちらにも存在するのは当然ですが、コストには大きな差があるのではと考える方もいるのではないでしょうか。

答えは「ERPにどれだけの機能を求めるかによって異なる」です。

ただし、コストだけで比較する前に、少し考えてみてください。

ERPの中でも「コンポーネント型」と呼ばれるシステムは、拡張性の高さが特徴です。

最初はサプライチェーン特化型のERPを導入し、ゆくゆくは他部署の機能追加ができます。

システムの変更はスタッフにも大きな負担になるため、できるだけ少なく済ませたいもの。

ERPは長く活用できる、中小企業に有益なシステムです。

グローバルに活躍するERPと部分的IT化のSCM

SCMは部分的なIT化にとどまるため、導入後の生産性や利益の向上には限界があります。

対して、ERPは企業全体の作業効率をアップでき、経営方針に合わせやすい柔軟性を兼ね備えます。

さらに、ERPは近年話題になっているビッグデータ活用やグローバル化への対応も可能です。

つまり、ERPの導入による利益の向上は、活用次第で無限に広がる可能性があるということ。

企業としての可能性を、より引き出しやすいのはどちらなのかが見えてくるのではないでしょうか。

【結論】今後はSCMよりもERPの導入が有利

柔軟性・拡張性などの視点から考えても、SCMよりもERPのほうが導入するメリットが大きいのではないでしょうか。

中小企業が今後も生き残り、生産性・利益アップのためには企業全体のIT化が必要です。

時間・人材・コストが限られる中では、企業として間違いのない選択を迫られます。

そして、間違いのない選択肢となるのがERPです。

クラウドを活用したコンポーネント型のERPであれば、低予算からの導入計画を策定できます。

ERPは自社を継続させるだけでなく、成長させられるシステムです。

IFS LABO by CHENGSI Japan

クラウド型ERPは、中小企業の課題解決のための需要が高まっています。しかし、具体的にはどのような課題を解決でき、ERPは…

SCMとERPでお悩みの方へ

今回は、SCMとERPの違いとともに、中小企業はSCMとERPのどちらを選択すべきかをお伝えしました。

チェンシージャパン株式会社は、クラウドを活用したコンポーネント型ERPを提供しております。

コストや導入期間など、企業様の悩みを取り入れ、無理のない提案と確実なソリューションの提供が可能です。

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グローバルERP IFS導入におけるシステムインテグレーター『チェンシージャパン株式会社』

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