【製造業】納期管理の改善方法!遅延原因とエクセル管理のコツ

  • 2022年1月15日
  • 2022年5月24日
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納期管理は生産管理の中でも、とりわけ取扱の難しい業務。

適切に管理しているつもりでも、「なぜだか納品に遅延が生じる・しかし、改善策が見当たらない」とお困りではないでしょうか。

本記事では、納品管理の遅延原因をお伝えした上で、具体的な改善策を紹介します。

エクセルで納期を管理する際のコツもあわせてご覧ください。

製造業を取り巻く納期管理の現状

製造業では国内外の工場・調達先など、複数の企業が相互に連携するサプライチェーンが一般的です。

生産活動を円滑に進めるため、企業間では厳しい納品管理が求められています。

たとえ数日の納期遅延であっても、関係企業に大きな被害を与えてしまい、遅延を引き起こした会社は、信頼・ブランド価値を損失する恐れがあります。

したがって、徹底した納期管理は企業間の信頼強固やブランドの向上、円滑な生産活動の維持に欠かせない重大な要素なのです。

納期管理に欠かせない3つのリードタイム

リードタイムとは、受注から納品に至るまでの生産活動や輸送にかかる時間のこと。

一般的にはサプライチェーン全体を指す言葉ですが、納品管理においては、下記3つのリードタイムに細分化され、それぞれに納期が設けられています。

  • 調達リードタイム:資材納入期日
  • 製造リードタイム:製品の入庫日
  • 出荷リードタイム:製品の納品期日

調達リードタイムとは、原材料や部品を仕入れる際の所要時間のこと。

生産工程の最上流工程であり、ここで遅延が生じた場合、のちの製造・出荷にまで影響を及ぼします。

ただ、原材料や部品によって調達リードタイムは異なるため、事前にそれぞれのリードタイムを把握し、適切に管理することが大切です。

製造リードタイムとは、製造着手から製品完成までにかかる時間のこと。

業務改善やシステムの導入などにより、リードタイムの短縮を図りやすい点が特徴です。

出荷リードタイムは、製品完成後から取引先や顧客へ届くまでの所要時間を指します。

製造業企業では在庫管理コストを抑えるため、納期の直前に製品を完成させるケースが一般的。

したがって、配送ミスなどで出荷が遅れた場合、期日中に納品できない可能性が極めて高いのです。

納期管理の遅延原因を立場別に紹介

具体的にどのような理由から、納期遅延が引き起こされるのでしょうか。

本章では、発注側・受注側双方の立場から遅延原因を紹介します。

遅延の理由:発注者サイド

発注者側の落ち度で納期遅延が引き起こされる場合、下記の4つの理由が考えられます。

  • 発注後に急な仕様変更を伝えられる
  • 図面や資材などを届けるのが遅い
  • 案件が立て込んでいる中、追加案件を発注
  • 厳しい納期を要求される

発注者側が原因で納期遅延が生じる場合、自社の想定外な事態が原因であるケースが大半です。

ただ、納期遅延の原因が自社の管轄外である相手企業に存在するため、改善施策による対処が難しいでしょう。

したがって、発注者側が原因で納期遅延を引き起こしている場合、起こりうるトラブルに向けた対策が重要です。

遅延の理由:受注者サイド

一方、受注者側が原因で納期遅延につながる場合は、下記の理由が考えられます。

  • 生産状況を加味せず無理な納期で受注する
  • 推測で納期管理を実施
  • 生産工程で発生する人為的ミス
  • 不良品の発生

受注者側が原因で納期遅延が起きる場合、原因が自社内に存在するため、問題点を明確にし適切に対処することで、納期管理の改善が可能です。

次章では、納期管理を最適化するための具体的な改善方法を紹介します。

納期管理を最適化するための4つの施策

納期管理を最適化するためには、下記4つの施策が有効です。

  • リードタイムの短縮
  • 現場業務の見える化
  • 営業部門の情報武装化
  • 余裕のある生産計画の策定

それぞれの進め方と、実施後に期待できる効果を紹介します。

方法1.リードタイムの短縮

リードタイムの短縮を実現できれば、納期に間に合う可能性が高まる上に、生産性の向上も期待できます。

具体的な進め方は、作業工程ごとに所要時間を洗い出し、削れる工程を省いたり、置き換えたりして作業時間を短縮します。

たとえば、目視でチェックしていた検品作業をハンドターミナルで自動化したり、機材・資材を整理整頓し、物を探す時間を削減したりなどです。

ただし、リードタイムの縮小は手段であり、目的ではありません。

無闇に生産工程を削減した場合、製品の品質低下や不良品率の向上につながる恐れがあります。

したがって、リードタイムの短縮を図る際は、計画・実行・検証・改善のPDCAサイクルを回し段階的に進めることをおすすめします。

方法2.現場業務の見える化

納期遅延が生じる一番の原因は、社内の生産体制を十分に把握できていないため。

生産工程の業務進捗・生産性・人員配置などを把握しなければ、曖昧な納期管理やトラブル時の対応遅れにつながります。

そのため、現場の業務を可視化し、現場状況を加味した上で納期管理を進めることが大切です。

現場業務の見える化では、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を意識した現場の見通し向上や、4M(Man・Machine・Material・Method)を意識した業務体制の見直しを実施すると良いでしょう。

大掛かりな体制変更は現場業務に支障をきたす恐れもあるため、まずは特に不透明な業務を部分的に改善してみてはいかがでしょうか。

方法3.営業部門の情報武装化

営業部門は、顧客とのファーストコンタクトを担う部門です。

生産現場の状況を共有できるよう、情報武装することでムリ・ムダのない納期の設定につながります。

たとえば生産現場の可視化情報を、営業部門にデータベース上で共有すれば、生産現場の遅れを加味した達成可能な納期で案件を受注できるでしょう。

また、生産部門と営業部門の連携を強めることで、仕様変更や納期変更が生じた場合でも即座に情報を伝達でき、迅速に対処できます。

生産部門と営業部門の連携を強める方法はいくつかありますが、システムによる連携が最も有効

会社規模や業種、生産方式に合わせた様々なシステムが提供されているため、一度検討してみてはいかがでしょうか。

方法4.余裕のある生産計画の策定

納期管理よりも大枠な生産計画に余裕を作ることで、リードタイムの短縮・トラブルへの対応力強化につながります。

たとえば、必要在庫数よりも多く在庫を抱えれば、不良品が発生した場合でも納期に影響を及ぼすことなく出荷できます。

もちろん在庫を持たずに需要数を都度製造し、出荷・納品できるのがベストですが、日々変動する需要への対応・顧客への即納品や生産期間短縮を実現するには、適切なゆとりの確保が大切です。

しかし、生産工程全域に過度なゆとりを作ると、QCDへ悪影響を及ぼす恐れがあります。

したがって、段階的に生産管理全体へゆとりを作り、状況を見ながら適正値を模索すると良いでしょう。

エクセルを使った納期管理のコツ

エクセルで納品管理表を作成するのであれば、条件付き書式を利用した納期の色分け機能の実装がおすすめです。

この章ではエクセルを使った納期管理のコツである、納期の色分け機能の実装方法を紹介します。

納期を色で教える条件付き書式の作り方

納期が今日や明日に迫った項目を目立たせるには、下記の手順で設定します。

  1. 対象のセル範囲を選択
  2. ホーム
  3. 条件付き書式
  4. セルの協調表示ルール
  5. 日付…

すると、上記の画面が表示されるため、「昨日」となっている部分を今日・明日・今週などに任意で変更すると、設定した条件に該当するセルの色が変わります。

また、納期が特定の日数に迫っている項目を目立たせるには、下記の手順で設定します。

  1. 書式を設定するセル範囲を選択
  2. 「ホーム」タブを選択
  3. 「条件付き書式」を選択
  4. 「新しいルール」を選択
  5. 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
  6. ルールの内容の欄に「=$D4<Today()+7」を入力

上記を設定した場合、納期が7日以内になった項目に自動で色が付けられます。

目立たせたい日付を変更する場合は、=$D4<Today()+◯の◯を変更するのみ。

この要領で残り日数ごとに色分けすると、納期を直感的に判断できるでしょう。

注意:エクセルを使った納期管理には限界がある

エクセルは多くのビジネスパーソンが日常的に利用しており、利用方法を教育する手間が少ない点が特徴。

またローコストで利用できるため、納期管理・在庫管理など様々な管理業務でエクセルを利用する企業が多く存在します。

ただしエクセルを使った納期管理には、下記のデメリットがあるため注意が必要です。

  • 担当者に属人化する恐れ
  • 複数人での同時編集が難しい
  • ミスを発見しづらい

一番のデメリットは、担当者に属人化する恐れがあること。

エクセルは複数人での編集が難しく、担当者が個別のファイルで納期を管理するケースが多でしょう。

この場合、担当者ごとに入力頻度が異なったり、ミスを発見しづらかったりと、不適切な納期管理につながります。

また、エクセルではタイムリーな情報共有ができないため、チームでの納期管理が難しい点に注意が必要です。

納期管理を最適化する「生産管理システム」

エクセルのデメリットを補い、なおかつ納期管理を最適化するソリューションとして注目されているのが、生産管理システムです。

生産管理システムとは、生産工程に欠かせない納期・調達・製造・販売・在庫などを統合的に管理し、業務の最適化を実現するシステムです。

この章では、生産管理システムによる納期管理への効果と導入事例を紹介します。

生産管理システムによる納期管理への効果

生産管理システムによる一番の効果は、納期遅延の防止です。

生産管理システムは全生産工程の情報をデータベース上で管理でき、業務の見える化やムダな業務の削減につながります。

これにより、調達・製造・出荷リードタイムの短縮や、現実的な数値に基づく納期管理が可能に。

さらに、データベース上の情報は営業部門にリアルタイムで共有できるため、達成可能な納期で案件を受注できます。

納期遅延の原因を網羅的に対処でき、納期管理を最適化できるでしょう。

生産管理システムの事例

株式会社ハセテックは、航空・宇宙・防衛などで求められる精密板金筐体(ばんきんきょうたい)を製造する会社。

製品のほとんどを受注生産で製造しており、常時1,000件以上の案件を同時に扱っています。

案件数・部品数が多く、エクセルを使った管理体制に限界を感じ、生産管理システムを導入しました。

株式会社ハセテックは生産管理システムの導入により、下記の効果を実感しています。

  • 時間管理精度の向上
  • データに基づく稼働率の算出と改善
  • 従業員の意識改革

生産管理システムで生産工程のデータ化に成功。

収集したデータを分析して、時間管理のルール化や稼働率の向上を実現しています。

また、適切な作業予定時間の設定により、「時間内に作業を終わらせよう・より効率化を図ろう」とする動きが活発に。

従業員が自主的に改善行動をとるなど、意識改革にもつながりました

参照:株式会社ハセテック様の生産管理システム導入事例|株式会社テクノア

不測の事態に備えた柔軟性の高い納期管理を心がけよう

この記事では、納期管理の改善方法を紹介しました。

納期遅延の原因が受注者側にある場合、課題を解決することで納期管理の最適化が可能です。

今回紹介した4つの施策を実践し、自社の納期管理を改善してみてください。

また納期管理の最適化には、生産管理システムが有効

さまざまな製品が提供されているため、自社の課題・業務を考慮し最適なソリューションを選定しましょう。

 

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