10種類のERPを徹底比較!システムのタイプと最適なソリューションの選び方

  • 2021年9月10日
  • 2024年8月23日
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近年多くの企業で導入されているERP。しかし、あまりにも製品数が多く、どの製品を導入すればよいのか決めかねている方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、ERP10種類の比較と最適なソリューションの選び方を解説します。ぜひ、ERP選定の参考にしてみてください。

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まずはERPのタイプと導入形態を理解

ERP製品は、システムの対象範囲に応じて、4つのタイプに分類できます。また、システムの導入形態の違いから2種類に分類可能。

まずは、ERP製品の特徴を識別しやすくするために、ERPのタイプと導入形態の特徴をそれぞれ解説します。

ERPは4タイプに分類される

ERPは、システムの対象範囲に応じて、下記4つのタイプに分類されます。

  • 統合型ERP
  • コンポーネント型ERP
  • 業務ソフト型ERP
  • アプリケーション型ERP

統合型ERPとは、会計・人事・生産などの全基幹業務をカバーするERPのこと。全基幹業務を統合管理することで、基幹業務間の連携が容易となり、重複業務の解消や業務効率化が期待できます。

また、リアルタイムで社内情報を把握できるため、円滑かつ効果的な経営判断を下せるでしょう。

コンポーネント型ERPとは、必要機能を組み合わせて使用するERPのこと。たとえば、生産と販売部門を一元管理するなど、基幹業務単位で導入できます。

また、コンポーネント型ERPは、必要に応じて機能を追加できるため、スロースタートな導入が可能です。

業務ソフト型ERPは、先のコンポーネント型ERPと似ており、特定業務のみを対象としたERPのこと。業務ソフト型は、対象範囲や搭載機能が限定されているため、導入コストを軽減でき、なおかつ短期間で導入できます。

アプリケーション型ERPとは、機能やアプリを自由にカスタマイズできるERPのこと。拡張性が高く、既存業務への適合率が高いというメリットがあります。

なお、近年では、ポストモダン型・コンポーザブル型と呼ばれるERPが主流になりつつあります。それぞれの特徴やメリットを知りたい方は、以下の記事をご参考ください。

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ERPの導入形態は主に2種類

ERPを導入形態別に分類すると、オンプレミス型・クラウド型の2種類に分類できます。オンプレミス型ERPとは、自社サーバー上にERPを導入・運用するもの。

導入するERPは、一括購入もしくはフルスクラッチが一般的です。サーバーやERPの所有権が自社に帰属するため、自由にカスタマイズできる点が最大のメリットです。

ただし、サーバーの構築や運用など、コスト面の負担が大きいため、導入する企業は中堅企業〜大企業がほとんどです。クラウド型ERPとは、ベンダーが提供するサービスを、インターネットを介して利用するERPのこと。

サーバーの構築が不要な上に、ERPの使用料をサブスクリプション方式で支払うため、初期費用を抑えられる点がメリットです。また、ネット環境であれば、どこからでもアクセスできるため、利便性が高い点も魅力。

クラウド型ERPは近年急速に普及しており、スタートアップ企業〜中堅企業と幅広い会社で導入されています。ただし、ERP製品の所有権はベンダーにあるため、オンプレミス型よりも拡張性・カスタマイズ性で劣る点には注意が必要です。

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10種のおすすめERPを徹底比較

この章では、下記のおすすめERPソフトを徹底的に比較します。

  • クラウドERP ZAC
  • Microsoft Dynamics 365 Business Central
  • GRANDIT
  • Oracle NetSuite
  • IFS Applications
  • OBIC7
  • SAP Business One
  • マネーフォワード クラウドERP
  • Infor SyteLine
  • クラウドERP freee

具体的には、ERPのタイプ・導入形態・搭載機能・特徴の観点から比較します。

おすすめ1.クラウドERP ZAC

ERPのタイプ 統合型
提供形態 クラウド/オンプレミス
搭載機能 管理会計・BIツール

クラウドERP ZACは、株式会社 オロが提供するクラウド型ERPシステム。一番の特徴は、プロジェクト単位で業務を管理できる点。

プロジェクトの進捗状況や損益状況を瞬時に把握できるため、ボトルネックを可視化できます。また、見込み・引合の段階から案件を管理でき、将来の売上・仕入れ・工数などの正確な予測が立てられます。

ライセンス費用は、従量課金制を採用しているため、会社規模に合わせて無駄なく導入できるでしょう。

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おすすめ2.Microsoft Dynamics 365 Business Central

ERPのタイプ 統合型
提供形態 クラウド/オンプレミス/パッケージソフト/SaaS
搭載機能 管理会計・連結会計・外貨管理・税無申告・生産管理・BIツール

Microsoft Dynamics 365 Business Centralは、世界196カ国の22万社以上で導入されているERPシステム。126の言語と43カ国の商習慣・税制に対応しており、海外拠点でもスムーズに導入できます。

また、本社とグループ企業のERPを連携させる2層ERPでの管理も可能なため、グループ統制の強化が実現できるでしょう。

おすすめ3.GRANDIT(グランディット)

ERPのタイプ 統合型
提供形態 クラウド/オンプレミス/ASP
搭載機能 管理会計・連結会計・外貨管理・生産管理・BIツール

GRANDITは、ユーザーニーズに寄り添ったオールインワン型のERPです。一般的なERPシステムに搭載されている会計・販売・人事などの基本機能に加え、EDI・EC・BIなども標準搭載されています。

提供会社であるGRANDIT株式会社は、SI企業によるコンソーシアム形式をとっているため、ノウハウを集大成して実用性の高いERPシステムを実現しています。そのため、業種の垣根を越え、様々なビジネス環境での業務効率化が期待できるでしょう。

おすすめ4.Oracle Netsuite

ERPのタイプ コンポーネント型
提供形態 クラウド/SaaS
搭載機能 管理会計・連結会計・外貨管理・税無申告・生産管理・BIツール

Oracle NetSuiteは、CRM・EC機能が統合され一元管理できるERPシステム。管理した情報をリアルタイムで分析できるため、迅速かつ的確な経営判断を下せます。

また、190種類以上の通貨、19言語に対応しているため、海外にグループ企業がある場合でも問題なく利用できます。Oracle NetSuiteの他に、導入コストを抑えたNetSuite SuiteSuccessも用意されているため、中小企業・スタートアップ企業にもおすすめです。

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おすすめ5.IFS Applications

ERPのタイプ コンポーネント型
提供形態 クラウド/オンプレミス/SaaS
搭載機能 管理会計・連結会計・生産管理

IFS Applicationsは、必要な機能を必要に応じて追加できるERPソフト。コンポーネント型を採用しているため、人事・販売・生産などの機能を会社規模や業務形態に合わせた最適な形で導入きます。

また、スマホ・タブレットなど利用可能デバイスも多岐にわたり、オフライン下での利用も可能です。利便性が高く、なおかつ操作も容易なため、現場社員に浸透しやすいのではないでしょうか。

まずは、導入コストを抑え、徐々に機能の拡充をおこないたい会社に最適なソリューションです。

おすすめ6.OBIC7

ERPのタイプ コンポーネント型
提供形態 クラウド
搭載機能 管理会計・連結会計・外貨管理・生産管理・BIツール

OBIC7は、セキュリティー面の安全性が高いERPソフト。クラウドERPは、セキュリティ面の脆弱性が懸念されるケースが一般的です。

しかし、OBIC7は、自社専用で構築・運用されるプライベートクラウドで提供されるため安心して利用できます。また、必要機能を自由に組み合わせられるコンポーネント型ERPのため、まずはスモールスタートで導入したい会社に適した製品でしょう。

おすすめ7.SAP Business One

ERPのタイプ アプリケーション型
提供形態 クラウド/オンプレミス/パッケージソフト
搭載機能 管理会計・連結会計・外貨管理・税無申告・生産管理・BIツール

SAP Business Oneは、グループ会社全体の最適化が可能なERPソフト。世界40カ国以上の法律・会計基準・税制と28言語にも対応しています。

SAP社のベースシステムSAP ERPを本社に導入し、SAP Business Oneを子会社・グループ会社に導入することで、グループ全体の最適化が可能です。SAP Business Oneは元々中小企業向けに開発されたソフトのため、低コストでの導入が可能です。

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おすすめ8.マネーフォワード クラウドERP

ERPのタイプ 業務ソフト型
提供形態 クラウド
搭載機能

マネーフォワード クラウドERPは、会計や人事などバックオフィス全体の最適化を実現するERPシステムです。経費・支払い仕分けの自動化や給与計算・保険申請の自動化が可能。

データ入力を最小限に減らせるため、バックオフィス業務を効率化できます。一般的なERPの導入は、長期化するケースが多いものの、マネーフォワード クラウドERPは、最短1ヶ月で導入できます。

短期間でバックオフィス業務の最適化を実現したい会社におすすめなソリューションです。

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おすすめ9.Infor SyteLine

ERPのタイプ 業界特化型
提供形態 クラウド/オンプレミス
搭載機能 管理会計・連結会計・外貨管理・生産管理・BIツール

Infor SyteLine(CloudSuite Industrial)は、グローバルに活躍する中堅・中小規模の製造業に適したERPソフト受注組立生産(ATO)と個別受注生産(ETO)との混合型(ハイブリッド)生産などにも対応しており、生産プロセスへの柔軟な対応が可能です。

また、メニュー画面、承認ワークフローなどを変更できるノンプログラミングのカスタマイズツールも搭載。製造業の生産性向上を図りたい会社におすすめなERPシステムです。

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おすすめ10.クラウドERP freee

ERPのタイプ 業務ソフト型
提供形態 クラウド/SaaS
搭載機能 管理会計・連結会計

クラウドERP freeeは、会計や給与などのバックオフィスに強いクラウドERPです。搭載されている自動仕訳機能は、決算書類などと連携して決算報告書や損益計算書を瞬時に作成できます。

そのため、データ入力の削減やヒューマンエラーの防止につながります。また、従業員の勤怠状況を可視化できるため、未然に労務トラブルを回避でき、効果的な対策を施せるでしょう。

クラウドERP freeeは、バックオフィスの最適化を目指す会社におすすめです。

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自社に最適なERPを選ぶためのポイント

自社に最適なERPソフトを選ぶための2つのポイントは下記の通り。

  • 導入目的を明確にする
  • ERPシステムの搭載機能を確認

1つ目のポイントは導入目的を明確にすること。ERPの導入目的を明確にすることで、ERP選定の軸が定まり、スムーズに製品選定を行えます。また、導入目的によっては、コンポーネント型や業務ソフト型など、低コストなERPでも十分な成果が期待できる可能性もあります。

導入目的を明確にすることで、選定がスムーズになる上に、余剰なコスト・機能の削減につながります。

2つ目のポイントは、ERPシステムの搭載機能を確認しておくこと。一般的なERPには、全基幹業務をカバーする一通りの機能が搭載されています。

しかし、会社独自の業務や商習慣にまで適合できるとは限りません。そのため、選定段階で必要機能が搭載されているのかを確認しておくことが重要です。

また、ERPシステムと既存業務・業務システムとの適合率も確認しておくことで、導入後の不一致を防ぐことができます。

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判断基準を明確にしてERPを比較・検討しよう

この記事では、10種類のERPシステムを比較しました。ERPシステムには様々な製品があるため、タイプや導入形態で分類することがおすすめです。

また、導入目的や必要機能など、ERPシステムの判断基準を明確にすることで、比較・検討がスムーズに進むでしょう。

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