今話題のERPソリューションとは?導入手順とおすすめ製品を解説

  • 2022年8月30日
  • ERP
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DX推進が求められる昨今、ERPソリューションを導入する企業が増加しています。

しかし、「ERPソリューションはどのようなシステム?どのように導入すればいいの?」と悩まれている方も多いはず。

本記事では、ERPソリューションの概要と導入手順・おすすめ製品を解説します。

ERPソリューションとは?

ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略称。

元々は、企業のヒト・モノ・カネを適切に管理・分配し、全社的な最適化を実現するという概念を指す用語でした。

そこから派生し、近年では企業資源計画を実現するためのシステムを、ERPソリューション(統合基幹業務システム)と呼びます。

ERPソリューションは、企業の会計・人事・物流・販売・生産などの基幹業務を統合し、情報を一元管理するシステムです。

各基幹業務に対応した機能を搭載しており、情報管理を切り口に、業務の効率化や利益の最大化をサポートします。

本章では、ERPソリューションの概要として、基本機能・基幹業務との違いを紹介します。

ERPソリューションの基本搭載機能

ERPソリューションの基本機能は、以下のとおりです。

  • 会計管理
  • 生産管理
  • 予算管理
  • 財務管理
  • 販売管理
  • 顧客管理(CRM)
  • 営業支援管理(SFA)
  • 在庫管理
  • プロジェクト管理
  • 人材管理
  • マーケティング管理(MA)
  • Eコマース

ERPソリューションの一番の目的は、社内業務・情報の一元管理です。

そのため、会計管理や生産管理、販売管理などの全基幹業務を管理・統合する機能を搭載しています。

たとえば、在庫状況・生産リソースを統合して、営業部門の案件を受注に反映させたり、各部門の財務情報を即座に取り込み、財務諸表を作成したりなどが可能です。

ただ、ひとえにERPソリューションといっても、特定の業種に特化したものや、バックオフィス業務のみを管理するERPソリューションなど、製品ごとに特徴が異なります。

したがって、ERPソリューションを導入する際は、自社の目的に即した製品を選ぶことが重要なのです。

ERPソリューションと基幹システムの違い

ERPソリューションと混同しがちなシステムに、基幹システムが挙げられます。

基幹システムとは会計業務・販売業務・生産業務などの情報を管理し、業務プロセスを効率化するシステムです。

一般的には、特定業務の効率化を目的に設計されているため、社内の部分最適化に効果的です。

しかし全社的な視点で見ると、部門間で情報にタイムラグが生まれる・情報共有が滞るなど、垣根が生じるデメリットがあります。

一方のERPソリューションは、こうした基幹システムを統合する、いわば「まとめ役」のようなもの。

各基幹システム内の情報を一元的に管理し、組織全体の最適化を実現します。

したがって、ERPソリューションが全体最適化を目的としたシステムなのに対し、基幹システムは部分最適化を目的としたシステムなのです。

ERPソリューションの導入効果

ERPソリューションは社内情報を一元的に管理することで、以下の効果をもたらします。

  • ムダを省き業務を効率化
  • 社内の見える化を実現
  • 意思決定の迅速化

ERPソリューションでは、従来部門ごとに分断されていた情報が、データベース上で一元的に管理されます。

そのため、これまで他部門との情報共有に費やしていた時間や労力を大幅に削減でき、より生産性の高い業務へ従事できるのです。

万が一トラブルが発生した場合でも、その情報が即座に共有されることで迅速に対処でき、被害を最小限に抑えられるでしょう。

また経営視点から見ても、ERPソリューションの導入は大きな効果が期待できます。

ERPソリューションでは、各部門の情報をリアルタイムに把握できるため、社内の見える化を実現できます。

どの部分にボトルネックがあり、他の業務へどう作用しているのかを瞬時に把握できるのです。

これにより、合理的な意思決定を従来よりもスピーディーに下しやすくなるでしょう。

ERPソリューションの種類

ERPソリューションには、特徴や機能が異なるさまざまな製品が存在します。

本章では、導入形態別・搭載機能別に、ERPソリューションの種類とそれぞれの特徴を紹介します。

【導入形態別】2種類のERPソリューション

ERPソリューションは導入形態別で、以下の2種類に分類されます。

  • オンプレミス型ERPソリューション
  • クラウド型ERPソリューション

オンプレミス型ERPソリューションは、自社のサーバーにシステムを構築して利用する形態のこと。

ローカルネットワークを介して利用するため、外部からのアクセスを防ぎ、セキュリティ面が強いとされています。

また、自社の要件に合わせた自由なカスタマイズができるため、業務や既存システムとの適合度が高い点が魅力です。

一方クラウド型ERPソリューションは、ベンダー企業が提供するシステムを、インターネットを介して利用する形態

カスタマイズ性はオンプレミス型ERPソリューションに劣りますが、安価かつ短期間で導入できるシステムです。

また、自社でサーバーを構築する必要がないため、少ないコスト・労力で運用できます。

近年は中小企業〜中堅企業を中心に、クラウド型ERPソリューションを導入するケースが多く見られます。

コスト負担が大きく、運用の手間が多いオンプレミス型は、より複雑な情報管理が求められる大企業向けと言える

【搭載機能別】3種類のERPソリューション

続いて搭載機能別で見ると、以下3種類のERPソリューションに分類されます。

  • 統合型
  • コンポーネント型
  • 業務ソフト型

統合型は、全基幹業務を統合するための機能を搭載した、一般的なERPソリューションの形態です。

社内情報の一元管理が可能なため、全社的な最適化を目指す企業に適しています。

コンポーネント型とは、必要な機能モジュール(機能群)を自由に組み合わせて導入できる形態です。

たとえば、生産業務・販売業務・会計業務のモジュールのみを導入することも可能です。

業務ソフト型は、特定の業務プロセスに特化したERPソリューションを指します。

会計管理・財務管理・人材管理を内包した、バックオフィス業務専用ERPが代表例。

機能や対象範囲が、基幹システムと類似したERPソリューションといえます。

【ERPの導入手順】失敗しないための4ステップ

ERPソリューションの導入では、トラブルや方向性のズレが発生しやすいもの。

ここでは、失敗しないためのERPソリューションの導入手順を紹介します。

ステップ1.プロジェクトの企画と導入目的の明確化

まずおこなうのは、プロジェクトの企画と導入目的の明確化です。

ERPソリューションを活用して、どのような目標を達成するのか、どのような成果が見込めるのかなど、プロジェクトの骨格部分を定めることが大切です。

目的が明確だと、製品を選定しやすかったり、チーム内で共通認識を持てたりするため、スムーズに導入作業を進められます。

また、プロジェクトを企画する段階で、ERP導入における予算や大まかなスケジュールを決めておくこともポイントです。

闇雲に導入作業を進めると、ムダなコスト・時間を費やす恐れがあるため、プロジェクトを成功させるためにも初めに設定しておきましょう。

ステップ2.ERPソリューションの選定・契約

続いて、ERPソリューションの選定作業です。

前述のとおり、ERPソリューションは特徴や対象範囲が製品ごとに大きく異なります。

そのため、各製品の特徴を理解し、自社の目的に適した製品を選ぶことが重要です。

ERPソリューションの選定時に押さえておきたいのが、以下5つのポイントです。

  • 必要機能を搭載しているか
  • 自社の業種に対応できる製品か
  • 機能追加やカスタマイズの余地があるか
  • セキュリティ対策が十分に施されているか
  • 導入サポートや定着サポートを受けられるか

オンプレミス型ERPソリューションの場合、システムの機能面や価格などが主な選定ポイントです。

一方、クラウドERPソリューションは、システムの保守やセキュリティ対策をベンダー企業依存する形態のため、サービス体制やセキュリティ面にも注意する必要があります。

ステップ3.システムの要件定義・初期設定

製品が決まれば、いよいよ導入に向けた初期設定や要件定義をおこないます。

全基幹業務をカバーするERPソリューションでは、既存業務・システムとのギャップが必ず生じます。

小さなギャップは、システムの設定で対処できるでしょうが、場合によっては対処しきれないものも出てくるでしょう。

この場合、ERPソリューションへ新たに機能を追加したり、機能をカスタマイズしたりするアドオン開発を実施します。

ただ、アドオン開発には膨大なコストがかかるため、場合によっては業務をシステムへ適合させるなど他の対処方法も併せて検討すると良いでしょう。

ステップ4.運用開始

いよいよ、ERPソリューションの運用を開始します。

ただ、いきなりシステムを稼働させると、トラブルの所在や業務への影響を測定しづらいもの。

そのため、まずは部分的なテスト運用を繰り返し、徐々に業務へ適合させることが大切です。

多くのベンダー企業は、リモートや現地での導入サポートを実施しています。

問題点や疑問が生じた場合は、ベンダー企業のサポートサービスに支援を依頼しましょう。

IFS LABO by CHENGSI Japan

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信頼性の高いおすすめERPソリューション3選

ここでは、多くの国内企業で導入されている、以下3つのERPソリューションを紹介します。

  • SAP ERP
  • IFS Applications
  • クラウドERP freee

いずれも信頼性の高い代表的なパッケージです。

ぜひ、製品選定時の参考にしてみてください。

ERPソリューション1.「SAP ERP」:世界シェアNo.1ERP

引用:SAP ジャパン

SAP ERPは、世界シェアNo.1を誇る代表的なERPソリューションです。

業務プロセスや既存システムが複雑な、中堅企業〜大企業向けのソリューションです。

各国の法律・会計基準・税制・言語・通貨に対応しており、本社とグループ企業とを連携させる2層ERPも実現できます。

また、SAP ERPの機能には、優秀企業の業務プロセス(ベストプラクティス)が盛り込まれています。

そのため、既存業務をシステムへ適合させることで、優秀企業の業務プロセスを模倣できる点が魅力です。

ERPソリューション2.「IFS Applications」:製造業特化型ERP

引用:IFS JAPAN

IFS Applicationsは、製造業に特化したERPソリューションです。

必要機能のみを組み合わせて導入できるコンポーネント型を採用しており、無駄のないシステム構築が可能です。

受注設計生産(ETO)・個別受注生産(CTO)・受注生産(MTO)・見込生産(MTS)はもちろん、ハイブリッド生産や特注品生産など、複雑な生産方式にも対応しています。

多様な生産管理機能を搭載しており、第三者機関による調査では機能面評価第1位を獲得するほど。

製造業特有の課題に適したERPソリューションでしょう。

ERPソリューション3.「クラウドERP freee」:バックオフィス専用ERP

引用:クラウドERP freee

クラウドERP freeeは、会計管理や給与管理などのバックオフィス業務を専門としたクラウドERPです。

一般的なERPソリューションよりも対象範囲が限定的ですが、各管理業務を高度に連携できる点が魅力です。

たとえば自動仕訳機能では、決算書類や請求書などと連携して決算報告書や損益計算書を瞬時に作成できます。

データ入力の手間を大幅に削減できることで、帳票の信憑性向上やヒューマンエラーの低減につながります。

バックオフィス業務の最適化を目指す企業に、おすすめのERPソリューションです。

自社の目的に適したERPソリューションを選定しよう

本記事では、ERPソリューションの概要と導入手順・おすすめ製品を解説しました。

ERPソリューションは、社内の情報を一元管理するためのシステムです。

ただ、ERPソリューションには、特徴や機能が異なるさまざまな製品があるため、自社の目的を明確にし、それに適した製品選びが大切です。

チェンシージャパン株式会社は製造業に向け、ERPソリューションを提供するベンダー企業です。

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